はてブの出来事

備忘録です。

森友問題の本質が「関西の闇」だということについて

公文書改ざん問題で、改ざん前後の内容を比較対照できるようになると、突如として謎の勢力が現れた。「ああっ、関西の闇じゃんこれ!」という人々である。

 

 

なぜ彼らは「闇」サイドから警告を発するのか?

togetter.com

※2022年4月29日追記。関西の闇ツイートの多くがすでに削除されている。参考に、典型的なツイを画像で貼っておく。Twitterの画像で撮る文化謎だったけど、元ツイがすぐ消える対策なのかね?

典型的な関西の闇論


関西の闇論者の特徴として、思わせぶりに意味ありげなことを言うけど「具体的に何がどう関西の闇なのか」について詳しく解説してくれないというものがある。

 

しかし、彼らの発言から読み取るに、要するにこういうことだろうかと思う。

 

「あの土地」は「被差別●●関係の土地」なので、決して触れてはならない
野党やマスゴミは必ずや後悔することになるだろう

 

どうやらその闇の力で8億円値引きされ、昭恵夫人らの名前が公文書から削除され、佐川長官が虚偽答弁を繰り返し、1年間国会が空転したということのようだが、やばくないか?その闇の力は。

 

官邸すら欺き、財務省を牛耳り、さらには錚々たるネット論客の皆さんが「だから触るとやばいと警告したのだ!」と怯えて、なぜか詳しいことを話せずにいる。大変やばい権力だと言わざるを得ないだろう。

 

それにしてもなぜネット論客の皆さんは闇さんサイドに立って「それ以上近寄るな!」と警告しているのだろうか。

安倍応援団が「森友文書の『本件の特殊性』とは同和のこと」なる悪質差別デマを拡散中! 発信源は今井尚哉首相秘書官か|LITERA/リテラ

「関西の闇」説を広めてる連中が、なぜか朝日新聞グッジョブとは言わず「それ以上闇に近づいたらどうなるか分かってるのか?」みたいに闇さんサイドから警告してくるの謎だよな

2018/03/21 22:34

b.hatena.ne.jp

普通に考えたらそんな巨悪がいるのであれば残すべきではないし、今回のようなチャンスがあればぜひ全てを明らかにして健全化するべきだろう。タブーとして触れられないはずの巨悪の存在に切り込み、白日のもとに引きずり出してくれた朝日新聞グッジョブだろう。今こそ巨悪を討ち関西社会を健全化するために朝日や野党を応援してしかるべき場面だろう。

 

なぜ「あーあ、あいつら怒らせたら知らないわよ」って酒場で余裕かましてるナミさんみたいなポジションにいるのか?どういう立ち位置?

 

もし本当に闇のパワーで8億円値下げされたり公文書改ざんやら国会での虚偽答弁やらが行われたのなら、昭恵夫人のちょっかいなんて比較にならないレベルで日本の危機案件であり、北朝鮮スリーパーセルなどよりはるかに問題だ。あなた方が事情を知っているのであれば「とにかく闇でやばいんだからそれ以上触れずにおけ」という警告を発している場合ではない。闇のしもべかよ。しっかりしてくれと思わずにいられない。

 

彼らの取るべき態度として自然なのは「ああっこれ関西の闇じゃん!朝日はすごいところに切り込んだな、狙いとは違うだろうがこれは大手柄になる予感w」「うわ、やっぱり関西の闇かこれ。こんな形で日本のガンが解決されるとは奇跡のようだ。財務官僚は存分に真相を語ってくれ」といった応援、期待の発露であろう。闇サイドではなくメディアや野党のサイドに立てよ。

 

安倍内閣も同様で、ネット論客の皆さんが全員知っている「関西の闇」について官邸が全く何も知らないということは考えにくい。あんなに隠そう、守ろうとするのではなく、関西の闇案件であることがわかった時点で「これは本当に由々しき事態だ、佐川や役人に責任を負わせて幕引きしてはならない、徹底的に全てを明らかにする!」と音頭を取るべき立場だろう。なぜ必死になってメディアや野党に抵抗し、闇サイドを守ろうとするのか?ひょっとして安倍内閣もネット論客も闇のしもべなのでは?

 

Togetterを見る限りでは、結局「あの土地ってなんやねん同和とか関係ないぞ」と地元の人々にツッコまれまくっているようだが。実際のところどうなのかね。

b.hatena.ne.jp

 

こういった指摘に対する関西の闇論者からの反論はない。以下、考察する。

 

「関西の闇ってのはそういう意味じゃないんだよなぁ」という逃げ

こうした思わせぶりなポエムの強みは、ツッコまれても「はあ?そんなふうに誤読されるのか……」「闇ってそういうことじゃないんだよなぁ。意味もわからないなら絡んでこなければいいのに」と逃げたり強がったり虚勢を張ることができる点である。

 

曖昧で意味深なポエムを垂れ流し、ツッコまれると「そういう意味じゃないけど?」と逃げ、でも結局どういう意味なのか説明することはないという点において、以下のとつげき東北さんの記事における「流れ」と近いように思う。

 

「流れ」が存在しないことの証明

麻雀をやる大部分の人は、牌の「流れ」「勢い」などが存在すると思っている。
どんな待ちでも上がれる気がしたり、何を切っても振り込みそうな気がしたりするらしい。


この、定義1の意味での「流れ」は存在しない。実験結果はいくらでもある。


しかしとつがそう指摘すると、彼らは定義2の意味にすり替えてくる
おれが言っているのは、そういう意味ではない。麻雀を打つのは人間だから、どんなに小さい影響であっても、やはり調子とか前回の結果に影響を受けるものだ」「人間の心理を無視するな!」とかそういうことを言われるわけだ。


かましわヽ( ´ー`)ノ


お前、直前まで「牌の勢い」の意味で「流れ」言うとったやろが(笑)。
オカルトの意味での「流れ」を信じていたが、それを批判され、困ったからといって定義をすりかえてごまかすな(笑)。

 

しかし残念ながら、それさえムダなことだ。

 太字は私による強調。

 

曖昧なことを言っておけば、いつでもどこにでも逃げを打てる。なんとなく自分の嫌いなもののイメージを貶めたい、自分に都合の悪い状況を矮小化したいといった場合にネットでよく使われる戦術であろう。

 

何かツッコまれたら「そういう意味じゃない」と逃げる。「じゃあどういう意味なのか」と聞かれるとはぐらかし、無限に後退する。ツッコミがなくなったらまた伸び伸びと意味ありげに「断言せずに行う印象操作」を繰り返す。

 

関西の闇=籠池氏?

関西の闇論を唱える人々は、関西の闇について(断定的ではないものの)部落差別関連などの存在を匂わせようとする。しかし具体的に「その闇が森友問題にどう関わってくるのか?」については全員明言を避けている。

 

学校用地が被差別部落関連なのか?

それとも登場人物が被差別部落関連なのか?

そして差別問題がどう絡めば8億円値引きされたり佐川長官が虚偽答弁したり昭恵夫人の名前を削除したりすることにつながるのか?

 

彼らはそうしたことを一切明らかにしない。おそらく彼らの意図としては、なるべく広め広めにベットしておき、今後の展開に応じて

 

「やっぱりね。俺が以前言っていた闇とはこのことだよ」

 

とドヤるために、現時点ではとにかく曖昧なことを言っておきたいのだろうと思う。というか絞ったことを言ってしまうとそこをツッコまれて苦しくなるし。

 

これは実はネット上ではわりと有効な戦術で、全く見当違いだったらそのまま知らんぷりしてなかったことにすればよいし、その後「解釈次第ではこれのことを言っていたのだと取れなくもない」といった展開になればドヤ顔をすればよいのである。

 

なお、個人的には、昭恵夫人への忖度だけで8億円も値下がりするかぁ?と思うし、今回の件は複合的な理由でおかしなことになっているのだろうというくらいのことは思っている。そして、その「何か」のひとつとして、「関西の役所で……」「土地からゴミが……」といったキーワードから、闇論者と同じような何かをイメージすることはできる。だって俺もネット民だから。

 

闇論者たちの多くは、筆者と同レベルの推測(というレベルでもないが)を行い、でも特に強い根拠や証拠はないので、とにかく意味深にそれらしいことをつぶやくというゆる~いベットを行いつつ、事態の矮小化を狙ったというところではないだろうか。

 

ぼかした言い方をしているのは「出てくるキーワードからなんとなくそうだったらいいなと思ったネット民の願望に基づく当てずっぽう」がソースだからではないだろうか。のちのち当たればドヤ顔で勝ち誇れるし、全く大外れだったら「結局、闇のことは闇のままだったな」と自己完結すればよいのだ。

 

こう考えるとこの闇って勝率100%で無敵論法だな。負けようがない。さすがネット論客の皆さんだ。多分一生死ぬまで間違いを認めたり謝罪したりはしない、無敵のネット人生を歩むんだろうなぁ。

 

そんな中、アゴラで大々的に「関西の闇」に言及したのが、元通産省八幡和郎氏である!!!

 

agora-web.jp

 

なかなか衝撃的な記事タイトルだ。関西社会には何か触れてはならないタブーがあり、その存在こそが森友問題の隠された真相なのだと、そういった印象を与えるタイトルと言える。しかも元官僚の視点からの文章だ。期待が持てる。

 

八幡氏は籠池園長を「関東人は当惑するかも知れないが、関西ではどこにでもいるワル」「行政にせよ、企業にせよ、こうしたワルに迷惑しながら、適当なところで折り合いを付けている」とした上で、「関西」全体の危機としてこのように警鐘を鳴らす。

関西のこうした怪しげな勢力との談合体質は、勇気をもって断ち切らないと関西没落を加速化させかねない。本社を東京に移す企業などでも、関西でのしがらみから開放されたいからというのが本当の動機と言うような話もないではないのだ。

この数日 Twitterでも「関西の闇」というワードが何度も叫ばれ、このワードを「あの土地」「差別利権」といった意味深なキーワードで包み、なんとなく不穏なムードを演出しようという試みがそこかしこに見られた。

 

その流れの中での記事であるからして、八幡氏も「こうした怪しげな勢力」という言い方に裏の意味を込めていたように見える。

 

……しかしツッコまれると、案の定「そんなつもりではない」と言い逃れを図った。以下は八幡氏による追記だ。

 

関西社会の関東にはないような社会的状況を闇と表現しておりますが、それは、犯罪組織を意味する裏社会などとは違う、より軽い意味でしかありません。まして、籠池氏を闇の組織の人だとかいうようなことを臭わす表現などどこにもありません。

 

ダサっ!

関西の闇の正体は、裏社会とか犯罪とかとは関係ない、より軽い意味での関西のガラの悪いおっさんのことだったようだ。

 

別にタブーでもなければ隠された真相でもない。記事タイトル詐欺というか、そんな「闇!」とか言っておいて「より軽い意味でしかない」ってずいぶんな肩透かしに思えるが。関西のガラの悪いおっさんという「闇」の力で、ゴミ撤去費用として8億円値引きされたの?関西のガラの悪いおっさん凄すぎない?

 

ともかく闇の正体がわかったので、これで安心して真相を追求できそうだろうか?

 

しかしそうであるならばなぜネット論客の皆さんはあんなに怯えていたのか。身の危険があるというのなら、別に匿名ダイアリーでもいいから詳細な闇の解説を書いていただきたいものだ。

 

週刊文春によると、「関西の闇」論を唱え始めたのは安倍さんの側近の一人、今井尚哉秘書官だったそうだが、そんな重要な情報は影で広めずに大々的に広報してほしい。