俺は劇場で見て、「今日は映画を見たなー」「ウルトラマンいいなー」という満足感は十分に得られた。
その上で
こうした批評については「まあそうね」という感想を抱いている。
ただ、「庵野作品」として語られることについてはいかがなものかと思う。映画って監督のものだと思っているので。
シン・ウルトラマン確かにキッツイな……
結構な著名人や批評ブロガーみたいな人たちがナチュラルに「庵野監督は本作で〜」って庵野作品という前提で何か頓珍漢なポエム並べてて脱力。<a href="https://twitter.com/masyuuki/status/1528046840977162240" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://twitter.com/masyuuki/status/1528046840977162240 ゆうきまさみ先生に同意する。
2022/11/22 13:03
なお、これは公開されてから後付けで言い出したわけじゃないのである。2019年8月、「シン・ウルトラマン」が発表された時点で、俺は懐疑的であった。当時、以下のブコメにはかなり☆が付いたので、同じ意見の人は多かったんだと思う。
『シン・ウルトラマン』映画化に関するお知らせ
庵野は演出とディティールの人なので、監督じゃないと魅力半減どころじゃないと思う。シン・ゴジラも脚本だけだったら駄作になってたぞ。
2019/08/01 06:55
脚本とキャストが同じでも、演出で全く別作品になるということについては日本映画の巨匠・山田洋次さんもこう語っている。
劇場版「男はつらいよ」の1、2作目がヒットして、そこでやめにしたかった山田監督に、会社が「ヒット作なんだから3作目以降も作ってくれ」と頼み、折衷案として山田さんが脚本を書き、友人を監督に指名したら、なぜか山田監督の寅さんとは全然別物になってしまったという話だ。
それで続編をつくったらこれも成績がよかったので、もう一回つくってくれというから、僕はもう降りますと。そんなにたくさん映画はつくれるもんじゃないと。
じゃあ僕は脚本を書きますから、他の監督、森崎(東)くんという友人の監督に撮ってもらって。正月映画だったっけな。それがまたヒットしたんで、もう1本っていうから、じゃあもう1回だけは僕が本書くって言って書いて、フジテレビの小林(俊一)くんというディレクターに撮ってもらって。二人とも僕の信頼している友人の監督だし、僕は脚本書いてキャスティングしてるんだから、ほとんど同じテイストのものができていいはずだったんだけど、実は見ると全然違うものができちゃってるのね。僕は日本料理をつくっているつもりができたものは中華料理くらいに違うわけ。さすがに僕も良い悪いじゃなくて、これでおしまいにするのはなんかちょっと気持ち悪いなと。だからもう1回だけ僕がつくろうと。それでもっておしまいにしようと。
なので、「そこまで過度な期待はせずに見に行ったが、樋口さんにしては普通に面白かった」という感想になる。あと、「懐かしいって言ったってそんな大昔のウルトラマンなんか主題歌ぐらいしか覚えてないし」と思っていたのだが、実際眼の前で映画が始まってみるといろんな記憶が蘇ってきてびっくりした。ゼットンの音声も当時のまんまだろあれ。デザインは気に食わなかったけど。
あとはなんだ、長澤まさみセクハラ(?)要素か。
樋口監督からはCGを合わせるために、かなり細かな指示があったという。長澤は「もうちょっと足を上げてとか、肘がもっと上に……とか。倒れるときに『動かないで』と言われたりしたので、受け身がとれなくて大変でした」と苦労話を明かすと、樋口監督は「ごめんなさいね」と平謝り。
たしかに撮り方/見せ方にいちいち違和感はあったが、嫌悪感とまではいかない微妙な、不思議なところであった。ただ、樋口さんはそういうフェティシズムみたいなのを特撮の重要要素と考えている人なんだよ。もしかしたら庵野さんもそうかもしれんけど。少なくとも樋口さんはそう。そこに共感できるかどうかで分かれるのかなと。
参考資料。
いいかギレルモ!仲間と信じてこっそり教えてやる!健全な日本男子はピンチにおちいった女子パイロットをローアングルで撮るんだよ!衰えぬ闘志は前のめりのポーズで利き目を設定して顔の向きを捻じりつつ目線は真っ直ぐに!背骨は絶えずS字を描け!注視点は太腿だ!異論は認めん!GO! 2013-07-09 15:57:32