はてブの出来事

備忘録です。

党派性はクソシリーズ:「○○は嫌いだけどこの件に関しては支持する」の尊さ(ブコメ返信)

本題

b.hatena.ne.jp

昨日ファーストブクマした記事がけっこう伸びていたのだが、ブコメでは本題から脱線して、「乙武は過去の悪事や人間性があるから嫌いだ」という指摘が多々あった。

 

さらにそこから、以下のような話題に派生していた。

※2023/02/13、id:bandosuguru氏の指摘を受けてid:yykh氏のブコメを追加。

 

yykh 私はこの人のこと全然好きじゃないけど、これはほんとにそうだな/私もアライさんなのだ〜

lnimroder 著名人がこういう表明をするのには意味があるけど、イタリアンレストラン入店拒否ファンネル攻撃5股の乙武氏は嫌いです。

incubator 「私はコイツ嫌いだけど」と書かずにはいられないムーブ、何なんだろ?「自分は人ではなく意見で判断する公正な人間です」というアピール?でも実際は単なる負け惜しみ・捨て台詞のように見え、器の小ささを感じる。

haha12345 id:incubator (略)ほんまはてブ民には毎回ドン引きですわ。/id:bandosuguru 色々言いたいが、どう考えても「○○だけど、□□な××は嫌いです」という逆説を用いた文は後半部の執拗な攻撃が主な主張だ。

teraph コイツ嫌いだけど同意ってワードにそんな揚げ足取る必要ある? 心の動きとして抵抗あるのは想像に容易いでしょ。なお俺は乙武さん結構好きです。「五体不満足」で勇気をくれたから。

bandosuguru "コイツ嫌いだけど"の定番前置きは、意見と人格の分離ができないわーくににおいて、「あくまでも意見を支持しているだけなので、人格支持と誤読して"この人"派側とラベリングしないでね」ってリスクヘッジだと思う。

shinnosukee えこの人嫌いだけど…って言葉は別に良くないか?少し見直した的なニュアンスも入るはず。

 

この話題については俺も持論があり、過去記事から引用しよう。

 

shin-fedor.hatenablog.com

 

最後に余談だが、党派性といえば最近はあちゅう騒動の際によっぴー氏が「嫌いだけど支持するとかいう奴らなど不要だ」と多くのネット民を攻撃し炎上した。筆者が思うに「嫌いな奴だが、この件については全面的に支持する」だったり、逆に「尊敬する先生だが、この件については全く擁護できないし否定せざるを得ない」という表明は、党派性の呪いから解き放たれており、むしろ尊いと感じる。

 

「大きな正義のためには、小さな悪など全部無視すべき。我々は絶対正義なのだから、少々の悪事で騒がれて足を引っ張られるなどあってはならない」

 

「加害者は100%加害者、被害者は100%被害者でないと都合が悪い。正義が弱まって不利だ」

 

という態度は、今や党派を問わず主流の考え方に思える。

これは大変に息苦しく、「大きな正義ではあるがそれはそれとして、小さな悪はしっかり認めて、謝り、改めよう」という当たり前の空気が醸成され、そうした人こそが信頼を得る社会になることを望む次第です。

 

尊敬する人だろうが、味方サイドの人間だろうが、クソなことはクソと言わなければ、世界はクソゲーと化す。筆者はどちらかといえば消極的安倍政権支持者だが、今回のクソっぷりは逃げ切らせては後世に巨大な負の遺産を投げることになろうと思う。

 

ただ、今回のきっかけになったid:lnimroder氏の発言は、id:haha12345氏の指摘どおり

 

「○○なこいつは嫌いだけどこの発言は支持する」

 

ではなく

 

「この発言は支持するけど○○なこいつは嫌い」

 

という順番だったため、「○○」の蒸し返しの方に力点が置かれている印象は強まっていると思う。

id:bandosuguru氏のご指摘どおり、発端が別の方だったので訂正します。

 

というわけで若干イレギュラーな話ではあったが、改めて大文字で申し上げるに、

 

嫌いな奴だが、この件については全面的に支持する

だったり、逆に

尊敬する先生だが、この件については全く擁護できないし否定せざるを得ない

という表明は、党派性の呪いから解き放たれており、むしろ尊いと感じる。

 

今後ともこうした表明は、わざわざ言っていきたいと思う次第である。

 

 

 

いただいたブコメとブログコメに回答

 

bandosuguru ワイのはyykhさんの「私はこの人のこと全然好きじゃないけど、これはほんとにそうだな」に対してだから、順番逆じゃないよ。

ほんまや。見落としていた。俺とid:haha12345氏が見落としていたということかな。失礼しました。

 

incubator 「○○の意見に同意」と単に書けば良いものを「△△氏は嫌いだけど」と人格批判を付言せざるを得ないムーブこそ、意見ではなく発言者の党派性に縛られたポジショントークと感じたのです。こういう意見もあるとは思う

俺とは意見が違うものの、これはこれでわかる。俺は100%肯定や100%否定しかしない党派主義がこの世界をクソにしている元凶だと思っている。アベの政策を支持するなんてネトウヨだ、安倍さんに言いがかりつけるやつはパヨクだ、と物事を単純化する勢力があまりにも強すぎる。そこで「安倍さんはクソだがこの政策はアリだろ」「基本安倍さん支持だけどこれはクソだろ」とわざわざ言うことで、党派でしか判断しない人々にいちいち水を差していきたいという意図がある。

 

koo-sokzeshky 同感。まあ文脈情報として、この発言者はこういう傾向だよという話も無価値ではないのよね、問題はその混同かな。意図についてはラベリング回避意図、下げて上げる意図、チクリと刺しとく意図、なかなか峻別は難しい

たしかに受け取る側のバイアスもあって真意はなかなか読み取れないのはあるかも。まあ意図は発話者がなるべく伝わるように書き、伝わらなかったら精進するしかないなぁ。俺は発端となったid:yykh氏の表明はちゃんと乙武さんの「言動」を評価しており、尊いと思う。オレも乙武さん、嫌いだし。(藤川球児っぽいニュアンス)

みんなが好きな人の言動を否定したり、嫌いな人の言動を肯定できるようになった方が、世界は風通し良くなると思うんだがなぁ。

 

敗北主義者 (id:Runawayfromwarsofjustice)

incubator氏の "「○○の意見に同意」と単に書けば良いものを「△△氏は嫌いだけど」と人格批判を付言せざるを得ないムーブこそ、意見ではなく発言者の党派性に縛られたポジショントークと感じたのです。こういう意見もあるとは思う"というブコメ
koo-sokzeshky氏の "同感。まあ文脈情報として、この発言者はこういう傾向だよという話も無価値ではないのよね、問題はその混同かな。意図についてはラベリング回避意図、下げて上げる意図、チクリと刺しとく意図、なかなか峻別は難しい"
というブコメを見るに、
「普段は○○と合わないが今回は同意」のような書き方ならいいのだと思います。これならincubator氏の言うような「人格批判」にはならないかと

 

まあそうですな。「嫌い」という言葉がやっぱり強いので「普段は合わない」のような丸めた表現ならより角が立たない。ただ、「嫌い」という言葉の含むニュアンスはけっこう失われるかな。乙武さんが嫌われているのは、意見が合う合わないというよりも5股不倫とか、レストランへのクレーム&ファンネル攻撃とか、人間性の部分が大きそうだし。

 

俺はレストランにクレーム入れたときは乙武さんの傲慢さを批判したし、不倫にはドン引きしたが、あの人も日々学び成長されているとも思うので、良いところは良いと言っていきたいのだ。 しかし俺が思ってたより100倍ぐらい嫌われてるな乙武さん!