なろうの悪口で「恋愛描写は薄っぺらいけどいじめ描写はリアル」ってやつはあんまりだと思った「もう少し手心というか…」
普段は「いじめる方が100%悪い」とか言っている人たちも、悪口として「いじめられてそうw」「お前いじめられっ子だろw」と平気で言うよね。いじめカッコ悪いというか、いじめられる方がカッコ悪いと皆思ってるのだ
2022/11/23 16:10
書いたまんまで、これはどんな綺麗事、建前を言おうと否定できない話じゃね?
元はこの記事ね。
上記のツイートがバズっており、「やめてさしあげろw」「それ以上いけない」系の反応が多く集まっている。Twitterもだけど、はてブの人気ブコメも大差ない。
要は「なろう小説なんか書いてるやつは、学生時代恋愛経験もない、いじめられっ子タイプだろw」と馬鹿にしているわけである。
なろうの悪口で「恋愛描写は薄っぺらいけどいじめ描写はリアル」ってやつはあんまりだと思った「もう少し手心というか…」
- [Togetter]
- [小説]
- [小説家になろう]
き、きっと読者の需要に合わせてるんだよねっ!そうだよねっ!
2022/11/23 11:43
これも「なろう作家さんがいじめられっ子ってわけじゃないよ!きっと読者層がいじめられっ子だから、サービスしてるだけだよ!」という意味のコメントで、基本的に無難を是として人畜無害なブコメを付ける傾向にあるトゥギャったんですら「やめてさしあげろ」ネタでスターを集めているのだ。
かように、誰もが「いじめられっ子w」を見下し、馬鹿にしている構図がある。
ちなみに「やめてさしあげろ」とか「それ以上いけない」というのは、ネットスラングで、誰かに便乗して何かを馬鹿にするときによく使われるワードである。前者の元ネタはわからん、淫夢かな?後者の元ネタは俺も好きな漫画「孤独のグルメ」からの引用だ。この二つ以外にもいくつかあると思うが、どれも要は「オーバーキルだからもうやめてあげてw」「本当のこと言わないでやってw」という使われ方だ。
これらの定型句は「一見、暴言を諌めて止めているように見える」というのがいやらしいところだ。
例えば呉座勇一先生がsaebou先生をボロクソに言ってるのに対し、白饅頭氏が「それ以上いけない」と茶々を入れる。こんな感じ。
saebou氏弄りを賑やかしていた氏のことでもあり、前後の文脈から
「(本当のことを言ったらあまりにもsaebouさんにとって酷だから)それ以上いけない。(相手の痛いところを突かず、情けをかけて、手加減してあげろ)」
ぐらいのニュアンスだと思うが、顔の皮に一定の厚みがあれば「本気で真剣に呉座さんを止めたんですが?勝手に深読みして悪意に取るのはどうなの?」とすっとぼけることが可能だ。
この茶々の入れ方であれば、仮に呉座先生がsaebou先生に怒られてピンチになり、非難が自分の身におよびそうになっても「私は止めただけですが?」と言い張れる。今どきのネット論客の基本スキルといえる。
似たパターンで、具体名を出していない一般論としての悪口に対して「おいおい、それ以上○○の悪口は(ry」みたいなのもある。悪口の責任は元の話者に押し付けつつ誰かの悪口を言う、インターネット悪口技術の一つだ。省略されている部分には「許さないぞ」とか「やめたまえ」とか正義っぽいワードが入る。
そんで、これも「イジメのスキル」なんだよね。「え?悪口言ってないし、褒めてたんだけど」とかね。
イジメは楽しくて、自分の「安全である愉悦」を確認でき、そして皆「いじめじゃないし」「あいつも笑ってたし」と自己正当化できる。そのぐらいのことを認めて、初めてイジメ撲滅のスタートラインに立てるのではないでしょうか。
「あいつも笑ってたし」系の正当化についても触れておこう。
女子の世界はまた違うのかもしれんが、男子の世界ではイジメられる奴というのは「クラスで一番だせぇ奴」という烙印を押されたも同然だ。だからいじめられっ子は自尊心を守るために、クラスの男子たちに淫靡な音楽を口ずさまれながら服や下着を全部剥がれて窓から投げ捨てられても、「ふざけんなよw」と笑ったりして、自分はイジメに遭っているのではないと、内外に主張するのだ。
イジメに遭っているということを認めれば、自分がクラスの最下層で、みんなに侮られる無価値な雑魚であることを認めることになってしまう。これまで生きてきた価値や尊厳が壊れてしまう。つまりいじめられっ子の中にも自然と「いじめられる方がカッコ悪い」という意識があるわけだ。そりゃそうだよ。だから「イジメの描写だけリアルw」「ちょwやめてさしあげろw」みたいなイジりが成り立つのや。
「なろう作家なんて、どうせ学生時代イジメられてたようなダサい非モテだろ」みたいな人類の共通理解があるわけだよ。下劣な心性だと思うがね。
いじめられっ子の心理については以下のニュースも印象深い。
『童貞。をプロデュース』強要問題の“黙殺された12年”を振り返る 加賀賢三氏インタビュー<2019年12月12日追記あり> | ガジェット通信 GetNews
"傷ついていることを見せるのが、恥ずかしい" "面白く見せようとすることで、自尊心を保とうとした" "いじめっ子に「パン買ってこいよ」と言われて、「ったく、しょうがねえな」と軽口を叩きながら買いに" 分かるわこれ
2019/12/06 05:54
このブコメに大量のスターが付いていることからも、そこそこ普遍的に理解され得る心理反応かと思う。
そしてイジメ被害者が自殺すれば、クラスメイトは「友だち同士でじゃれてただけに見えた」「あいつ笑ってたよね?」「仲良かったじゃん」と正当化するのだ。(ぼくの考えた正しいいじめられっ子像に反するのでイジメではない理論)
俺も子供の頃イジメに遭っていた時期があるが、上述の「童貞。をプロデュース」の被害者同様、自分という人間の尊厳を踏みにじられたことを受け入れられず、「対等な友人関係のおふざけに過ぎない」と塗り替えようとし、全裸にされて服を窓から投げ捨てられても「マジふざけんなよw」などと笑ってみせていた。あれで俺が自殺でもしていたら、クラスの教師も生徒も「彼らは仲が良かった。対等にふざけあっていた」と証言しただろう。
ネット民は、イジメで自殺者が出ると加害者の個人情報を特定して吊るし上げようと怒りを燃やすが、それ自体が示すように人は簡単に加害者側に立つ。イジメも、差別も、忖度も、どこにでもある。誰もがやる。このぐらいの前提は共有したいものだ。
俺だって加害者にも被害者にもなったことがあるし、今後も油断してると、あるだろう。
いくつかいじめについての過去ブコメを貼る。
無力感を覚えて抵抗しないのは「普通」のこと 名古屋・性犯罪無罪判決、控訴審で精神科医が証言(小川たまか) - 個人 - Yahoo!ニュース
苛烈なイジメ被害者もパワハラ被害者も、普通は抵抗しないし、なんなら表向きは笑って受け入れたり軽口叩いたりすることも多いからね。安全確保のため、パニックのため、心を守るため、そうした反応は起こる。
2019/12/14 06:50
昔援助交際してた(追記しました)
いじめられっ子が「これはイジメではない、友達間のおふざけだ」と自己洗脳するのと似た心理変遷に思える。性被害だと認めてしまうと尊厳が壊れてしまうから、主体的な行動なんだと塗り替え心を守ろうとするバイアス
2018/09/01 10:04
はあちゅう on Twitter: "本人が堂々と公言している童貞、ヤリマンをコミュニケーションネタとしていじることや下ネタとセクハラは違うと思うんですけどねー。明るく楽しく笑えるものが自粛になるのは嫌だなー...。 https://t.co/wukTmTEi7K"
イジメ加害者もゲイ差別者も「愛のあるイジリとイジメはまったく違うと思うんだけどなー。イジられてるほうだって美味しいって言ってるよ」と言いながら人を自殺に追い込むんだよ。
2017/12/19 07:26
いじめは「いじめられる側」に原因があるケースもあるけど、実際にいじめたら「いじめた側」が100%悪い、という話
イジメの大半は親の育児放棄だとか「イジメをする奴は特殊」論が☆を集めているが同意できない。世の中の多くの人間は容易にイジメに加担する。普通の人も、優しい人もだ。かつイジメだと思ってないものが多い。
2017/10/13 19:48