はてブの出来事

備忘録です。

ROLLYのブチ切れ案件についてロックファンからの補助線(訂正・修正とお詫びあり)

今回絡まれ被害に遭ったファンの方に対して、無神経な書き方をしすぎてしまったので、ご指摘を鑑み何箇所か訂正・修正を入れました。ごめんなさい。&ご指摘いただいた方に感謝。

7/21(金)7時


あと、(言うまでもないのか言うのが当然なのかわかりませんが)この記事に書かれていることは筆者の主観による決めつけです。実は全然違うかもしれません。「わかりやすい」事は常に危うさを孕むものであり、書いた文章の責任はもちろん私にありますが、一応ご留意くださいませ……。

7/22(土)9時

 

 

 

 

ROLLYことローリー寺西Twitterでファンに粘着質に絡んだことで炎上した。

 

togetter.com

 

が、多分これ、先日の山下達郎の件と同じで、よく知らない人が見て抱く印象と、音楽ファンから抱く印象が、ちょっと違うやつなのね。達郎もローリーも100%悪いんだけど、その結論は変わらないんだけど。

 

ROLLYの執拗すぎるツイートは完全に常軌を逸しているし、絡まれたファンの心境も察すると同情するのだよ。それはそれとして補足解説がしたくなったので書くよ。皆さん、なんでローリーが怒ってるのか全くわからんでしょう。意味不明ですよね。

 

どういうことかというと、ROLLYことローリー寺西というミュージシャン。かつてはすかんちというバンドで一世を風靡したことで、一部のロックファンには知られている。この人が、普通のロックミュージシャンとちょっと違うのは、

 

  • クラシックロックの伝道師という意識が極めて強い
  • イタコギタリストとしての意識が極めて強い

 

という2点が挙げられる。

 

まず、すかんちってどういうバンドだったかというと、「壮大なクラシックロックパロディバンド」と呼んで差し支えないと思う。リーダーであるローリーがそういうコンセプトで作ったバンドであり、曲名、アルバムジャケット、ミュージックビデオと、ありとあらゆる要素に、

 

・60~70年代のブリティッシュロック、あるいはクラシックロックと呼ばれるようなアーティスト。The WhoDeep PurpleLed ZeppelinQueenといった英国の偉大なレジェンドバンドたち

 

のオマージュ、あるいはパロディを散りばめていたんです。

 

これはもうめちゃくちゃ自覚的にやっていることであり、ローリー自身もインタビューでそういうポジションであることを強調していたし、インタビュアーも「元ネタ」にがんがん言及していた。

 

Wikipediaにもそのように記述されていますね。

ja.wikipedia.org

 

ROLLYの奇抜なキャラクターやド派手なメンバーのヴィジュアルから色物バンドと見られる節もあったが、レッド・ツェッペリン、クイーンを始めとする洋楽のパロディを盛り込みつつ、グラムや歌謡曲の要素をも散りばめたクオリティーの高い楽曲や演奏力の持ち主であった。楽曲「恋のマジックポーション」「恋のミラクルサマー」がフジテレビ系『ダウンタウンのごっつええ感じ』テーマ曲に使われ注目される。

 

ちなみに「恋の○○」というタイトルは、The Whoの「Substitute」(恋のピンチヒッター)に代表される、「洋楽の変な邦題」のパロディです。

 

ローリーの「伝道師」という意識については以下のインタビューがわかりやすいかと思う。

 

realsound.jp

 

重要なところなので、少し長いけど引用しよう。

 

僕はすかんち以前からそうなんですけど……アレンジの、料理のし具合の妙技を見せるっていうのが、僕の目的だったわけ。昔ロッキング・オン・ジャパンで「すかんちがパクった元ネタ集」っていう特集をやって、「このアルバムのこの曲のこの部分から取りました」っていうのを全部書いたの。これは勝手な僕の定義ですけど……「音楽のバトンを渡す」という言葉を、最近クリス・ペプラーさんに教えてもらって(笑)。

 たとえばこのアルバムにも入っている、すかんちの「恋のマジックポーション」は、エレクトリック・ライト・オーケストラでジェフ・リンとコンビを組んでいたロイ・ウッド、彼のソロの「Oh What A Shame」という曲と、彼のバンド、ウィザードの「Rock'n Roll Winter」と、ベイ・シティ・ローラーズの「Summer Love Sensation」を合わせて、ソリッドなハードロック風味に仕立てあげて、スイート風のコーラスを付け加えた、というものだったのね。基本的なメロディはロイ・ウッドからインスパイアされていて。

 だけどそのあとに、ビーチ・ボーイズでまったく同じメロディのものがあることを発見して、「なるほど! ロイ・ウッドはビーチ・ボーイズに憧れてこの曲を書いたんだ!」と思ったら、エルヴィス・プレスリーでまったく同じメロディの曲があるんだよね(笑)。

 これこそが「音楽のバトンを渡す」っていうやつで。プレスリー亡きあと、そのメロディをビーチ・ボーイズに「はいっ!」て渡して、ビーチ・ボーイズからロイ・ウッドに渡して(笑)。

 だからほんとに僕の使命は、音楽のバトンを渡す……そのまま渡すのではなく、自分なりの味付けをして。そこが自分のアーティスト性っていうんですかね。この曲をローリーがやったらこんなふうになるよ、っていうのが私のアーティスト性だと思う。

太字強調は筆者によるもの。

 

60年代から70年代というのはギターヒーローなるものが生まれた時代でもあり、Whoのピート・タウンゼント、Purpleのリッチー・ブラックモア、Zepのジミー・ペイジQueenブライアン・メイといったギタリストたちがめちゃくちゃカッコいいギターサウンドでめちゃくちゃカッコいいギターリフを生み出していた。

 

ローリーは10代の頃からそれらを死ぬほどコピーしてきた人。演奏やサウンドだけでなく衣装やステージング、パフォーマンスも徹底的にコピーしてきた。プロのギタリストがギターの教則ビデオを出すことは珍しくないが、ローリーはステージング&パフォーマンスの教則ビデオまで出していた。

 

例えば今回炎上したジミー・ペイジのイタコ芸は以下の動画で少し垣間見ることができる。

 

www.youtube.com

 

そう、イタコ芸。ローリーはギタリストとして、時にはブライアン・メイに、時にはジミー・ペイジに完全に「成り切る」ことを、自身のライフワークのように追求してきた。そこにもちろんローリーなりのプラスアルファというのはある。それは、言うてもペイジ本人じゃないし、ブライアン本人でもないので、どうしても出てきてしまう部分がローリーのオリジナリティである。が、1つ1つのプレイに、選ぶリックに、作る音色に、使う機材に、全て根拠があるのだ。それは本物に近づくためのイタコのこだわり。

 

ローリーは大好きなピートやリッチーやペイジやブライアンのギターを徹底的に研究し、演奏も、サウンドも、ファッションも、動きも、表情も、まさにイタコを極めてきたわけです。*1

 

そんなローリーが、神のように尊敬するペイジの曲を演奏するために呼ばれ、全身全霊でリスペクト込めて演奏したプレイを、別にギタリストでもないであろうロックファンから「ペイジじゃなかった。ローリーさんが自由に弾いていた」と言われたわけですよ、今回。これは存在を全否定されたようなショックを受けたのではないでしょうか。他ジャンルで言うとなんだろう、田中圭一氏が「手塚の絵柄とパロを期待して読んだけど、田中先生が全然手塚タッチではない自分の画風で自由に描いていたのでびっくりしました」って言われたみたいな。まあ田中先生はそんなのでキレないだろうけど。

 

というのが俺の説明したかったこと。

 

これを踏まえて両者のやりとりを見ると、実は元ツイのファンの方もまあまあ意固地なんだよ持論を強く持ってるんだよ。「ペイジではなかった」「ローリーさんが自分のスタイルで好きに弾いていた」という2点をけっこう折れずに繰り返してるんです。丁寧に謝りながらも。

※「意固地」という表現は、もっと最適な行動があるのに、むきになってわざとそれを選ぼうとしないみたいなニュアンスがあり不適切なので修正します。状況的に「そもそも、ROLLYの怒りの理由がわからないので怒りを解く回答もわからない」のが普通かと思います。ごめんなさい。

 

※元ツイの方(以下、IDは消します)
ROLLYさんはZepファンなので、Jimmy Pageのように弾くのかなと思って会場に行くと、出番ではギター2人体制で、Pageの音はもう一人のギタリストの方が鳴らしていました。ROLLYさんは自由にご自分の音を奏でていたのでちょっとビックリしました。あらためて聴くに、やっぱり相当に自由にやってますね

 

これにペイジ研究家としてのプライドを傷つけられたローリーさんが噛みつく。

 

ROLLY(寺西一雄)本人 @RollyBocchan
私はジミー・ペイジ自身が演奏しているフレーズだけではなく、色々な曲、テイク他のフレーズ、をライブでアドリブで取り入れて即興するのが好きです。
それまでの曲と、また違った味にしたいからです。
その僕の演奏が気に入らないのなら、是非これからは私の居ない演奏を聴いたほうがためになります

 

これに火に油を注ぐ以下の返答。

 

※元ツイの方
ご返信ありがとうございます。私はROLLYさんの演奏が気に入らなかったのではありません。誤解させてしまったようで申し訳ございませんプロの方は影響を受けたミュージシャンがいらしてもご自身の演奏法があるからなのねと思って楽しく聴いておりました。ご説明いただきありがとうございます🙏

 

ローリーは「ペイジの特定の1曲、特定の演奏をまるっと再現したわけではないが、毎回いろんなプレイを組み合わせてペイジ風に弾いているのだ」と憤っているんですよ。それに対して「ローリーさんはペイジやいろんなギタリストの影響は受けてるけど、ご自身の好きなようにローリーの演奏をしてるんですね!」という趣旨のレスをしてしまっている。「ご説明いただきありがとうございます」といいつつ、ローリーの主張を読めていない。

 

しかも、俺たちがさんざん見てきた「誤解を与えたなら申し訳ない構文」。確かに演奏が気に入らなかったとは言ってないんだけど、「ペイジのように弾くのかなと思って見に行ったら、自分のスタイルで好きに演奏していたのでびっくりした」というのは、「ペイジを期待してたけどペイジじゃなかった」という意味に取れるのでは。少なくとも、ローリーがそう受け取ったことは、無茶な解釈ではないと思います。

 

そこで、ローリーは「俺の説明が下手だったのか」と思ったのか、噛み砕いてレスをします。

 

ROLLY(寺西一雄)本人 @RollyBocchan
言葉が足りなかったかもしれませんが、レッドツェペリンの莫大な作品の中から、いかにもジミーペイジが弾きそうなフレーズを別のジミーペイジの曲で弾くこと大好きなので、Zeppを知れば知るほど楽しく感じる事が出来ます
その曲しか知らないと無関係なフレーズを弾いた様に聴こえるかもしれません。

 

これ、ローリーが何を主張したがってるかというと、おそらく「あれはペイジのプレイなんだ!50年ペイジの研究をしてきた俺が、ペイジになりきってやってるんだ。もう全編あらゆるところにペイジ要素が散りばめられてるんだ。ZEPを聴き込んでくれればわかる!」ということなんですよ。それをわかってほしいわけですね。

 

しかし、この後の怒涛のレスも伝わらない。

 

※元ツイの方
私はLed Zeppelinは中学の頃から少しずつレコードやCDを買い集めて聴いてきましたが、とても深くは聴いてないと思います。ご教示の通り、もっと聴いてみようと思います。ありがとうございます。ROLLYさんの音楽は独自のものとして私は充分楽しく聴かせていただいているので特に反論もないのです。

 

こっちもこっちでやや意固地読めていないでしょう。「たしかにZEPはそこまで聴いてないけど、あなたのあの演奏はペイジではない独自のローリー音楽として楽しんでます♪」という一線を、最後まで一歩も譲らない。ファンならそこは譲ってあげてもええんちゃう!?「おっしゃるとおり、そんなにZEPを聴き込んでないので、ローリーさんの演奏に散りばめられたペイジ要素に気づきませんでした」とか言えばいいのでは。

※ファンならアーティストの機嫌を取るために持論を撤回すればいいじゃんというのは良心のない話でしたね……失礼しました。ペイジという神の前で人は平等だ。まるっと撤回します。ごめんなさい。

 

いや、感想は自由でありアーティストに強要されるものではないので別に引っ込めなくてもいいんだけど、それはつまり戦争を受けて立っているのだ。アーティストのこだわりを(そのつもりはなくとも)否定すれば本人から反論が来ることもある。それを「説明ありがとうございます!」と言いながらも結局最後まで否定し続けている形になってしまっただったら説明ありがとうとか言わず「気を悪くされたならすみませんが、やっぱりペイジっぽくはないと思います」でいいだろう。ROLLYは「説明伝わってないじゃん」と思ってしまったのだろう。

※「戦争を受けて立っている」「否定し続けている」は、ファンの人に「そんなつもり」はなかったのは一目瞭然なので、書き方を修正いたします。申し訳なかった。「はからずも構図としてはそうなってしまった」という説明として残します。

 

※7/21朝追記→*2

 

このあたりで切り上げるけど、要するにこれはね、「面倒くせえロックオタク同士の面倒くせえ議論」という面もあるんです。ファンの方も「これはペイジじゃないなぁ」という自分の感想を引っ込める発想がないからこうなってしまった面はあるのではないか。どっちが正しいというわけでもないが、プロのギタリストの矜持がそこにはあった。

 

結果論かもだけど、「誤解されたみたいですみません」という、それって一種の反論なのだが、これは入れない方がよかったと思う。「ペイジのコピーじゃないですよね、わかってますよ」という返信は、「わかってない」わけで、それを繰り返したことでローリーはますます逆上してしまったのでは。もちろん、好きなアーティストにあんなぶっ壊れた粘着をされたら、動揺してうまく対応できなくても仕方ないけど。

※上の「結果論~」の文も撤回します。こうやって後からならいくらでも「こうすればよかったのに」と言えるが、リアルタイムで推しにわけもわからず殴られ続けている人にそれを言うのはあまりに酷だ。ごめんなさい。

 

皆さんのショックはわかるんですよ。俺も10何年か前に、田中将大が、楽天ファンのおっさんによる「ももクロなんかでチャラチャラしてちゃダメ、お前は最高のピッチャーになれる逸材なんだから」みたいなツイートにブチ切れて「あなたに俺の何がわかるのでしょうか?」と激詰めしてたのを見て「マーさん、そのおっさんは確かにうざいけど、彼は彼で楽天のファンなんだから、マーさんからそんなに激詰めされたらショックで寝込んじゃうよ……少なくとも楽天ファンはやめちゃうよ」と心配になったことがあるからね。

 

が、「いたいけなファンを激詰めする老害ミュージシャン」と見るか、「変なこだわりのあるロックオタクに自らのイタコ芸を否定された変なこだわりのあるロックオタク」と見るかで、また少しだけ見え方は変わるというのはあるかなと思う次第です。理不尽に粘着された被害者ではあるけど、そこまで弱くて健気なファンには見えないというか、骨があるから受けて立っているのだ。俺ならまず日和って「すみません、ペイジのことよく知らないのに適当なこと書いちゃいました、撤回します」だよ。あのファンの方、最後までそこは絶対に譲らなかったからね。むしろそんなプロと張り合ってしまうようなマニアックなリスナーだからこそローリーのファンなのかもしれん。

※7/22(土)9時 ↑このへん、その後俺の印象も変化しまして、「受けて立っている」というのは言い過ぎで、ROLLYに詰められたショックと恐怖のあまり「最初の感想を引っ込めるという発想が浮かばなかった」という解釈が妥当ではないかという風に今は思っています。そして、「そもそも客の感想に対してアーティストが反論するのはどうなの?」「客の解釈が【間違っている】ということは原理的にあり得ないのでは?」という議論ももちろんあろうと思う。表現者の手を離れた表現がどう解釈されるかは、どうしたって受け手が決めることでしかない。

 

以下、余談だけど、ローリーの伝道師スタンスがロックファン以外には伝わらんかもしれないので少し書くと、ロックミュージシャンって多かれ少なかれみんな「ロック伝道師」みたいな意識はあるわけですよ。「元ネタがまったくない音楽」なんてないと言い切っても過言ではない。どこかにバトンは埋められている。それはもうポール・マッカートニーだってリトル・リチャードのパロディみたいなことをやって元ネタを嬉しそうに解説するし、ハイロウズの「相談天国」はディープ・パープルへのオマージュだし、ジョン・レノンがボビー・パーカーからパクったデイ・トリッパーのリフを奥田民生がパフィの「それが私の生きる道」で引用するとか、大瀧詠一フリッパーズ・ギターも「これそのまんまですやん」というパロディやオマージュや引用盛りだくさんなわけですね。「ラストダンスはヘイ・ジュード」ですよ。二人で飲みますレモンティー。ロックに限らず、ザ・ウィークエンドだってブルーノ・マーズだって星野源だっていろんな先達の曲から新しい音楽を生み出しているわけだ。

 

しかもこれがバンドとなると組み合わせなので、ニルヴァーナの「スメルズライクティーンスピリット」はカートとしてはピクシーズをパクったつもりだったけど、デイブのドラムはザ・ギャップ・バンドのディスコナンバーからの引用だったりするわけです。

 

hiphopdna.jp

 

つまりロックミュージシャンってのはロックが大好きなんですよ。当たり前ですが。自分が大好きなロックを自分というフィルターを通してみんなに伝道したいわけですね。

 

そういう文脈においてローリーというのは、そんなロック大好きなミュージシャンの中にあっても、特にクラシックロックの伝道師色が強いアーティスト、イタコ色の強いギタリストなんです。

 

だから「ローリーがZEPの曲やってたけど、あのギターはペイジじゃないね。自分の好きなようにプレイしていたね」というのは、日本屈指のジミー・ペイジ研究家にしてイタコギタリストであるローリーにとってはピンポイントで侮辱と言うか、「一番触れちゃいけないところに触れやがった」なんですよ。もちろんファンの方にはそんな悪気はなかった。しかし、長年のローリーファンなら、それが侮辱になってしまっていたことに気づいてもよかったかもしれない。

 

普通は「逆」だから、わかりづらいのよね。「○○みたいですね、パクリですか」と言われて怒る方がわかりやすいし、「ローリーさんの音楽として好きです」なんて一般的には褒め言葉のはずなので、今回皆さんなんでローリーがこんなに怒ってるのかわかりづらいんだろうなーと思って、解説を試みた次第である。その上で、うん、やっぱりローリーが悪いよね……。自分のファンに対して、あまりに粘着質だし、威圧的だし、感情的すぎるし。結論は変わらず。

 

まあ、これは擁護なのかな。いやあの大人気ない粘着質な連投を見たら俺はただ哀しくなったし、元ツイの方に大変同情もしたんですよ。ただなんか、ローリーというアーティストのバックグラウンドを知ると、「全く意味不明なブチギレ」が「わからんでもないけどいくらなんでもキレすぎ」ぐらいには印象が変わるかなって話でした。

 

追記:ROLLYさん謝罪されていますね。個人的にはこれにて落着です。

 

追記2:ブコメ全部には返信できないんだけど気になったところだけ。この記事はローリー側の視点を補足説明するつもりで書いたので、不公平ではあると思います。キレ散らかすローリーに対して、「ファンの側が大人の対応をしている」のは間違いない。「そもそも本当にペイジっぽい演奏になっているか?」については、別にファンが間違っているとはいえない(ので記事内でも「どっちが正しいわけでもない」とは書いている)。なので「意固地」「譲ってあげればいいのに」は不適切だろ、ファンの矜持はどうなるのだという指摘についてはごもっともです。ぐうの音も出ない。7/21 そのあたりについて書き方を修正しました。

 

追記3:「皆さんに謝ったからいいとはならない。本当に謝るべきは、粘着激詰めしたファンの方に対してだろ」という指摘があったが、ローリーは件のファンの方に(粘着していたツリー上で)直接謝っとるよ。多分謝罪ツイートが2つあるうちの片方を見落としているのではないかな。あとはあのお二人の間でのことであろう。それと「ドン引きした、当事者じゃないのにトラウマになった、アレ見て逆にロック嫌いになった」みたいな声、これが一番ローリーには堪えるだろうね。そこはさすがに超反省してるのではないだろうかとは思うが、許してあげてとかは言わない。みんな自由に何かを好きになったり嫌いになったりしよう。

 

追記4:「マーくんの件は全然違うだろ」というご指摘。例え話というのは、「ある面では同じだがある面では違う」のだよ。なので、違うところを比較して「違うでしょ」と言われれば「そらそうよ」という話なのだが、ここではあくまでも「ファンが、自分が応援している人に激詰めされるのはショックだよね、トラウマなるよね」という意味で出してるのだよ。その観点では「同じ」でしょ。「マーくんの趣味に絡んだおっさんは完全に大きなお世話で自業自得だけど、ROLLYに一方的に絡まれたファンは何も悪くないから、それらを同一視するのは違うだろ」というのは、「そらそうよ」という話なのだよ。その観点では違いますね。この観点では同じですね。ということ。伝わらんかな。激詰めされた理由はここでは切り離してくれや。そりゃおっさんが悪いよ。でもさ、ネットに慣れてないただの楽天ファンのお父さんが、定年退職してTwitterなるものを始めてみたみたいな感じだったのよ。まさかマーくん本人から怒られが発生するなんて、それは自業自得だけど「ショック」な気持ちは想像できるでしょ。誰が悪いとかいう話ではなく「ファンが、応援してる対象(推し、と呼んでもよい)に詰められる心情」の話。まあ結論としてはお父さん(と一部のアーティスト)はインターネットYAMERO、半年ROMれなんだけど。

 

追記5:1000ブクマ!?こんな伸びると思わんかったな!貴様らせっかくだからすかんちの名曲「恋するマリールー」でも聴いて帰ってくれ 

open.spotify.com

ついでに50年前のジミー・ペイジも観て帰ってくれ

www.youtube.com

 

追記6:達郎にはワイも失望してるやで!あのラジオやる前からね。ただ、よく知らない人たちから「達郎はジャニーズの権力、圧力に負けた」みたいな見られ方してたけど、そうではないよって話。達郎はウソをつかないし、権力を意に介さないし、好きなものに対しては常に純粋な人間だ。つまり、本気であのジャニー喜多川を尊敬し、美しいと思い、自分の意志でその名誉を守ろうとしているんだよ。だから俺は絶望したのだ。ああ、達郎が言うからには、これは純度100%の山下達郎の本音なんだろうなと。むしろ、圧力に負ける人であったなら、金で転ぶ人であったなら、どれほど救われたことか。説明が難しいわ。俺も拗らせた面倒くさいロックおじさんだからな。本題と関係ないノイズなので書かなきゃよかったんだが、「結論は同じなんだけどファンからはちょっと見え方が違った例」と思ってくれ。マーくんの話と同様、何事にも「違うところと同じところがある」ので、コミュニケーションにおいてはそこは適宜汲んだり汲まなかったりしていただければ幸いです。

 

追記7:「これは大事なところだな」と思った2箇所に脚注を入れました。重ね重ね、件のファンの方ごめんなさい。俺が同じ立場なら、とてもあそこまで立派に振る舞えんし、筋金入りのロックファンである貴方を尊敬します。今回の悪夢の傷が癒えますように。

まだいくつか、「そういうつもりじゃないよ~」というコメントがあり、反応したくなるんだが、どれだけ言葉を尽くしても、他人の感想をコントロールすることなどできないというのがこの記事の一つのテーマでもある。ネットで言葉を発した以上、言葉の伝わり方が俺の思い通りであろうとなかろうと、戻ってきたボールは受け止めるしかない。その点は誰も変わらない。きりもないし、もう弁解はこのぐらいにしとこう。

俺がやりたかったのは、全然ロックの文脈が分からなくて本件が謎すぎると思った人たちに対する文脈の共有で、それはある程度達成できたと思う。はてな村の外にまで広まるとは予想できなかったが。読んでくれてありがとうございました。ごきげんよう

 

追記8:ごきげんようと言った翌日だがまた懸念のコメントをいただいたので戻ってきました。追ってくれる人はもうあんまりおらんのかもしれんが、今後思い出したように参照されたときのことを鑑み。

またコメント欄でご意見いただきまして、論点は2つあり、1つは「切れたのはこういう理由だとして、切れ方が問題なのだ」という論自体への疑義ですね。つまり、「そもそも表現者の表現をどう受け取りどう解釈するかは、受け手の自由であり、思った通りに解釈してもらえなかったからといって表現者が文句を付けるという行為そのものがNGである。切れ方の問題ではなく、仮に粘着攻撃をしなかったとしてもダメである」ということ。これは基本的にはそうですよね。普通の表現者はそんなことしないので、たまにそういうことがあると炎上するのだ。まったく異論はないというか、俺も基本的にそういう考え方です。ブロガーもある意味そういう面はあるのか……?表現と言ってもいろいろあるからな。

もう1つは、こっちのほうが大事ですが「ファンの人がどういう心境だったのかを、外部から勝手にエスパー推理すべきではない」という話ですね。それは本当にそう。そしてROLLYの心境だってROLLYにしかわからない。達郎の心境だって達郎にしかわからない。結局ひろゆきじゃないけど「これって私の感想ですよね」という。まさしくそこはデリケートな話なので、記事冒頭に注意書きと、該当箇所の修正を行いました。ご指摘ありがとうございます。記事ごと消した方がいい気もしてきたがいったんここまで。

 

追記9:もはや追記が本編と同じぐらいのボリュームになってしまったが、引き続きコメントでご指摘をいただき、ごもっともだと感じたので、「受けて立った」「否定し続けた」の箇所に追加修正を行った。ご指摘ありがとうございます。ご懸念の点を踏まえて、より客観的にというか、ファンの人の「意図」には踏み込んでいないことを強調した書き方にしたつもりです。

これは余計な話かもしれないが、俺の「感想」として、このファンの人が精鋭中の精鋭、ガチのロックファンだという印象は今も変わらない。ROLLYとも、なんなら俺とも、同志といえる存在のように感じる。が、そのこと(ガチのロックファンだったこと)が、結果として不幸なボタンの掛け違いの一因にはなったと思うんだよ。普通に考えて、ROLLYツェッペリンのトリビュート演奏に参加するらしいという事前情報を聞いたとして、「じゃあきっとペイジっぽくやるのかな?」と予想してそこに注目しながら観るって、この時点で着眼点がマニアすぎる。ロックファンにも濃淡はあるが、この人は特濃ファンだという印象を強く受ける。そんな人じゃなきゃ、発端のツイートの感想はあり得なかった。そして99.99%のケースで、そんな濃い感想を見たアーティストは「こんなディープに見てくれるファンがいるとは!」と、プラスの感情を抱くだろう。それが地雷になる可能性は本来、ほぼない。だから、大変確率の低い、不幸な事故だと考えている。俺が同じ目に遭っていても全くおかしくなかったというか。事前に読める事故ではない。もちろん、これもくどいけど、初心者だろうとオタクだろうと、ただの感想を詰められて良い人などいないのは大前提です。ペイジっぽくはなかったなと、誰でも思ったらネットに書いていいし、感じたことは変えなくていい。

*1:ちょっと補足。読み返してみたら、この書き方だとROLLYがイタコ専門みたいに誤解する人がいるかもしれんな。決してそんなことはなく、「そういうお題設定」のない平場においては、輝けるロックの黄金時代を一身に体現するセクシーでゴージャスなエンターテインメントの化身、イタコを超えて先人たちの魂を血肉とした「ROLLY」という世界に唯一人のギターヒーローとして素晴らしいのですよ。念のため。伝わりやすさを考えてイタコ要素を強調しすぎてしまったが、それはローリーの一面に過ぎない。才能に満ちたギタリストでありシンガーでありソングライターでありプロデューサーでありエンターテイナーである。一言で言うならロックンロールスターか。俺の中では和嶋慎治、坂本慎太郎浅井健一アベフトシといったスーパースター枠の一人だ。

*2:このへん、ブログコメントで「ファンの方への二次加害になっている」というご指摘があり、それはそうと思ったので後で少し書き直します。本記事全体に、ROLLY側に肩入れしてアンフェアになってる自覚は確かにある。ご指摘感謝。俺みたく後から岡目八目でああすればよかったこうすればよかったと言うのは簡単だが、件のファンの方の目線になると、「推しのアーティストがなぜか悪魔化して延々と脅迫めいた粘着攻撃してくる。冷静に謝ってもなぜかさらに逆上して攻撃してくる」という不条理な悪夢のような状況で、まともに礼儀正しく応対してるだけでも相当えらいし、仮に俺が同じ状況ならここまでの応対はとてもできない。パソコン投げ捨ててる。自分にできないことを他人に「こうすればいいのに」は言っちゃダメだった。過去にそのテーマで記事も書いてるのだ。ファンの方ごめんなさい。そして今回のROLLYの一番の問題は「切れ方」「攻撃の仕方」だと認識してる。切れた経緯自体の解説はしたけど、執拗な粘着ハラスメント行為は、擁護の余地ないです。ROLLYの謝罪ツイートを見るとそこはご本人も冷静になって後悔していると思う。

少子高齢化って何があかんのや?

無限に繰り返される話題なので自分の意見をまとめておこう。

 

日本人50歳女性「27%が生涯子供いない」の示す事

自由社会が成熟すれば必ず少子化になるみたいで、日本に限った話じゃない。子沢山が正義のイスラム移民だけが爆発的に増えていきそう。国力維持のために移民を入れまくるアメリカやドイツの真似はできないだろうな。

2023/01/30 20:13

b.hatena.ne.jp

 

日本だけじゃないし、どうも自然の流れであるようだ。人権意識が高まれば少子化は進む。そもそも「あの古き良き時代」という過去を振り返るべきではないのでは?

 

異性と関わりたくない…ハラスメントが拡大する「快適な社会」の代償(御田寺 圭) @gendai_biz

人類社会は常に過渡期だがいずれこの時代ならではの着地点が見出されることだろう。全ては必要な過程である。セクハラに甘い社会に巻き戻したところで非婚化や少子化が解決することはないと思う。進むしかないのだ。

2018/12/20 18:18

b.hatena.ne.jp

 

社会が良くなったら少子化解決!なんて欺瞞はやめろ!

先進国は全部少子高齢化に向かっているので、人類はおそらく一定程度まで増えたらそこから減り始めどこかでバランスするんだろう。出産増えない以上は国力の維持には移民を増やすしかないが、これがまた難易度高すぎ

2022/11/24 10:40

b.hatena.ne.jp

 

 

そして俺がこの手の話題で気になるのは以下のことだ。

 

子どもを産むと年収が7割も減る…世界が反面教師にする日本の「子育て罰」のあまりに厳しい現状 「日本のようになってはいけない」と思われている

人権意識の高い先進国ほど少子化が進むので両取りは難しい。理想のモデル国家はない。少子化に怒ってる人の多くは主に少子化の「何」が問題だと考えているのだろう。国力の衰退?子供を持ちたいのに持てない事?

2023/02/19 10:33

b.hatena.ne.jp

 

「国力の衰退を遅らせる」「子供を持ちたい人に持ちやすくさせる」は相互に関係するので1イシューとして扱われがちなんだけど、要素分解して議論した方がよくない?

そもそも、少子化が本当に悪なのか?というのもよくわからん。

 

独身者5000万人。建国以来、史上最大の独身人口となった「ソロの国・ニッポン」(荒川和久) - 個人 - Yahoo!ニュース

人口が減っても皆幸せなら良いわけで、その為のテクノロジーが要る。大昔は「人類は人口が爆発的に増えて食糧難になる」的な未来観も聞かされてたので、先進国の少子化は地球にとっても人類にとっても善し悪しかなと

2022/05/24 12:04

b.hatena.ne.jp

 

今のところこんな感じである。少子化対策はもちろんやればいいと思っている。ハードランディングをソフトランディングに変えるための努力は必要で、俺もできることをしたいが、「増加に転じる」というのはもう諦めて、「*1みんなが幸せになるには?」という観点に立つべきじゃなかろうかと。人口が600億人になったら人類持続不可能でしょ。

*1:少子化は防げないという前提で)

奢り奢られ論争について。(マイナビアンケートを追記)

奢り奢られ論争について俺もメモしとこう。

 

やはりリサーチ。リサーチが全てを論破する

こういうのってn=1で「俺の周りでは全員こうなんだが?」を主張し合ってもらちが明かないのね。今回俺がひでーなと思ったのは

 

yoppymodel.hatenablog.com

「男性が奢るべきだと思いますか」
「年上が奢るべきだと思いますか」っていう設問ではなく、

「男性に奢られたら嬉しいですか」
「年上に奢られたら嬉しいですか」
「男性に奢られると嫌な気持ちになりますか」
「年上に奢られたら嫌な気持ちになりますか」っていう純粋に嬉しいか嬉しくないかを問うアンケート取ったら一発で答えが出ると思うよ。

と、アンケート取らずに主観で断言しちゃうヨッピー。これは惜しい!かつてのたわわ事件のときのように、実際に2社ぐらいの調査会社に依頼してそのデータを持って主張すべきだった。「わざわざ調べる」のは非常に面倒くさいが、それだけに超強力な武器になるのだ。

(なお思ったより自分に不利な結果が出たら上野千鶴子メソッドで握り潰してもよい)

 

そしてこのヨッピーに対してデータで反論するブクマカが現れた。そう、リサーチデータより強いものは存在せんのだ。どれどれ。

 

増田への回答 - ヨッピーのブログ

「嬉しいか嬉しくないかを問うアンケート取ったら一発で答えが出ると思うよ。」さっと調べた感じ奢られたくない人の方が多そうだよ  <a href="https://anond.hatelabo.jp/20230225215344" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://anond.hatelabo.jp/20230225215344

2023/02/25 22:00

b.hatena.ne.jp

 

ほうほう。

 

「デートや食事のお金は男性が負担すべきだ」については、賛成(「そう思う」「どちらかといえばそう思う」)の割合は男性37.3%、女性22.1%となり、「男がおごるべき」と考えるのは男性の方が多いことが明らかになっています。

賛成派を年代ごとに見ると、男性は20代=30.5%、30代=31.1%、40代=35.0%、50代=41.9%、60代=46.5%とおじさん世代が突出。

「付き合う前のデートで支払いを『どうしたい』ですか?」という質問では、58%の男性が「全額支払いたい」または「多めに支払いたい」と回答。それに対し、全額おごられたい女性はわずか14%、割り勘を希望する女性が最多の56%に上りました。

 

いや、ヨッピーの文章読んでねえの!?

 

「男性が奢るべきだと思いますか」
「年上が奢るべきだと思いますか」っていう設問ではなく、

 

ではなく、

 

ってめちゃくちゃはっきり書いてあるじゃん。ヨッピーが言ってるのは、べき論じゃなくて、嬉しいか嬉しくないかだよ。「飲み終わって精算する段階になったら○○さんが全部出してくれたみたい!」とかの状況だろう。

 

「56%の女性が割り勘を希望している」のはいいんよ。でも、それら56%の女性だって、例えば実際にバイト先の飲み会で男の店長や先輩から奢られたら「別に割り勘でよかったけど、今日は得したわ~」「今月厳しいからラッキーやわ~店長気前いいわ~」と思う人が一定数いるかもしれんよな?(俺はリサーチしてないので何も断定せんけど)

※ブコメをもらったのでリサーチ結果を追記しました。なんと、男に奢られると「嬉しい」女性が圧倒的に多いようです……!

 

で、そこの暗数についてヨッピーは無根拠に、自分の経験や体感だけに基づいて「嬉しいって人のが多いだろ」と主張しているのだから、

「実際、奢られたらむかつく」

「奢られるたびに嫌な気持ちになる」

という女性が何%いますよ、というデータを持ってこないと反論にならんじゃろが。

 

ちなみにこれから書くが、俺はヨッピーの身内のノリ(男が払う)が全く理解できないし、そういうタイプの人が身の回りにいたこともない。割り勘に決まっとるわ!

若い子に奢りたすぎて人生が狂っていった阿修羅・原(故人)。
無邪気に「ハイッ!」と良い返事しているのは同郷の後輩・長与千種
阿修羅はあらゆる後輩・若手に慕われていたというが、その代償も。
原田久仁信劇画 プロレス地獄変」より。

 

俺はどうなのか?

前提情報として俺は40代男性です。

 

基本的に流されるがままの人生なので、上司や先輩や取引先(受注先)が奢ってくれるというときはほぼ全部「いやいやいや!いや~ありがとうございます!ごちそうさまです!」と乗ってきた。

 

実家に帰ったとき、別れ際に祖父母が握らせようとするお小遣いに「いや~いいよ~あ~ありがとう!(この間4秒)」というぐらいの速度で、ただの儀式として微妙に抵抗してみせるぐらいである。

 

一方で後輩や部下や取引先(発注先)との飲食では、外仕事の帰りに飯を食ったとかであれば普通に「打ち合わせ代にしますから」と領収書もらって全額払ってきた。その後実際に経費申請するかどうかはケースバイケースである。

(そんな言い方はしないけど。常に「領収書切りますね」としか言わない)

 

でもそういう話じゃないよな今回のは。打ち合わせとかじゃなく、プライベートではどうか?とりわけ、女性が混在するプライベートでの飲みはどうか?これは、基本的にオール割り勘である。

 

「基本的」に該当しないケースは、「俺たちめっちゃ飲み食いしたのに、途中参加でウーロン茶とからあげ食っただけの人にまで割り勘を担わせるのは悪いな」「酒飲めないのに参加してくれた人に出させるの悪いな」という理由で「○○さんほとんど飲んでないし1000円でいいですよ」みたいなパターン*1。1000円ぐらい出してもらい、残りを酒飲みの頭数で割り勘する。これは性別も年齢も立場も関係ない。

 

仕事と関係ない上に男女が混在するプライベートの飲み会が発生していたのは、90~00年代、俺が大学生~新卒の頃だが、俺だけじゃなく周りの男は誰一人として「女の子はいいよ~」というタイプはいなかった。性別関係なく「パチンコでアホほど勝ったから奢るわ」とか「先輩のお祝いだからその先輩は一次会タダ」みたいな調整はランダムに発生していたけどな。あとライブの打ち上げとかで幹事を買って出てくれた人に「お釣り要らんよー」という文化はあったがこれもジェンダーや年齢関係ないね。

 

唯一あるのが、「昔の職場の上司や先輩との飲み」で、昔の上司(つまり相対的に金持ちのおっちゃん)に多めに払ってもらうということはあった。もちろん俺は「ゴチです!」の一言だ。勝手に払ってくれるのだから感謝しかない。これはヨッピーのケースに近いやろか。

 

というわけでこれまでの人生で「男が払うよ」「おじさんが払うよ」というのはやったことがない。デートでも当然割り勘だ。かつての職場の飲み会も全て割り勘だった。なのでヨッピーの感覚は正直よくわからん。

 

あるとしたら今後甥っ子や姪っ子と飲みに行ったら奢るかもしれん。これもジェンダー関係ないな。

 

かつて「結婚物語。」の仲人Tさんが

「男子は!全額!黙って!払えと言っとろうが~~~!!」

と叫んでははてブの女子高生や4歳になる長女やドイツ人らしき老夫婦から喝采を浴びていたが、あれは「婚活」という特殊なルールのバトルフィールドだからであって、世間的にはもうそういうの古いよね~となりつつあると思う。俺たちの時代が来たのだ。

 

 

これが2023年2月28日時点での仲人Tさんの固定ツイート
男が奢るのは「普通の事」という認識がうかがえる。
そして仲人Tさんのこれらの主張は、
2018~2019年頃、はてブで大絶賛されていたのだ。

 

例の増田vsヨッピーについて

anond.hatelabo.jp

 

俺は増田に同意する点はいくつもあって、例えば

「匿名でも正しい事を言っていればいい。発言の価値は等価である」

「間違ったら謝る、訂正するのが基本。謝ったら負けなどというのはおかしい」

この2点は完全に同意する。匿名でも正しいものは正しいし、俺は増田文化に価値を感じている。それに、俺も謝れる人を心から尊敬する。勝ちとか負けとかじゃないよね。

 

俺がいかに「謝罪撤回できる人」を尊敬しているかは、過去にも死ぬほどブコメしてきたところである。

尾辻かな子 on Twitter: "こちらのツイートを撤回します。 殺害予告や脅迫により冷静さを欠いた投稿でした。申し訳ありませんでした。 https://t.co/MZ1WPrBPUp"

同情するし、尊敬する。「謝れて偉いとか小学生かよ」と茶化すブコメがあるが、大人の大半が小学生以下なんだから十分すごいだろ…。あとは表現の不自由展同様、殺害予告犯の逮捕は必須。メディアは続報してほしい。

2022/12/02 13:48

b.hatena.ne.jp

【悲報】「雀魂×咲-saki-」の広告に嫌疑を表明した元議員、尾辻かな子氏「掲載企業は私への殺害予告の責任を取れ」→謝罪し撤回

殺害予告の責任を企業に求めるのは筋違いだが、恐怖心でおかしなツイートをしてしまった事は同情に値する。そしてきちんと謝罪撤回できており尊敬に値する。後は表現の不自由展同様、犯人逮捕の続報が不可欠。

2022/12/02 12:52

b.hatena.ne.jp

北村紗衣先生(武蔵大学准教授)は草津町の件で一体何に謝罪したのか

ブクマカで何人か謝罪撤回してる方がいて、心から尊敬するし信用できると思った。本当に偉いよ。人間は誰でも間違うので、常に間違わない人はプーチンと同類。プーチンも常に正義であり被害者であり、絶対間違わない

2022/11/17 13:44

b.hatena.ne.jp

ポーランド落下のミサイル ウクライナ軍迎撃発射か 分析進める | NHK

もしそうなら、ウクライナは自らの落ち度を認め謝罪することで、ロシアとは違う真っ当な国だと世界に示そうよ。どんな人間でもどんな国でも間違う。間違いを認めるのが真っ当な国で、間違わない国は真っ当ではない。

2022/11/16 21:45

b.hatena.ne.jp

山本太郎「安倍はまたポンポン痛くなるん?」⇒「水道橋博士休職するけど守る!」

安倍さんの病気を揶揄した政治家は野田さんに便乗してごめんなさいしとけばよかったかもな。俺が求めるのは間違わない政治家でも正しい政治家でもなく、謝罪や撤回ができる政治家なんだよ。山本太郎は撤回しない。

2022/11/03 09:37

b.hatena.ne.jp

FC2髙橋氏からの反論について(8/11 リライト) - 続・はてなポイント3万を使い切るまで死なない日記

間違いを撤回・謝罪しているので信用できる。そして「事実を捻じ曲げている」と主張する人は、ちゃんと「ここがこのように事実と違う」と具体的に挙げねばならない。反論したっぽい雰囲気だけ醸したいんだろうが。

2022/08/10 07:26

b.hatena.ne.jp

ヒトラーと一緒に昭和天皇の写真 ウクライナ政府が動画から削除、謝罪 | 毎日新聞

大日本帝国にはヒトラーやムソリーニに該当する強力な独裁者がいなかったからね。山本七平言うところの空気で動く無責任国家なので、誰を並べていいか困ったのは理解できる。謝罪してもらったんならもういいや。

2022/04/25 14:15

b.hatena.ne.jp

長島昭久🇯🇵🇺🇦東京18区(府中、小金井、武蔵野市) on Twitter: "これは亡くなられた方に対する史上最低のコメントだ。 こういうのこそヘイトスピーチと言うのではないか。 弔意を示した上で「私たちと立場の違いはもちろんあったわけだが、今日言うのは控えたい」と述べた日本共産党志位和夫委員長のコメン… https://t.co/G7CPGUvTDK"

ヘイトスピーチの意味を知らないのは問題だが、現実問題、政治家の大多数は知らんのでは。間違いを指摘されて謝罪できるのは長島氏の美点。迂闊で情緒的な言動が多いが、謝れるだけ大概の政治家より尊敬できる

2022/02/02 23:39

b.hatena.ne.jp

荻上です。ラジオのOPで、2、3分ほどのフリートークの時間があります。僕は..

自らの問題点を整理した上で謝罪し発信できる荻上さんを変わらず尊敬する。しかし終盤の謝罪相手への「おそらく同一人物であろう」という推測理由の説明は、無論悩んだ末の文章だろうが、そこまで説明いるかな…

2021/07/21 10:09

b.hatena.ne.jp

西原理恵子 on Twitter: "頸癌ワクチン批判の時、高須先生が「日本に正しい情報が入ってくるまで待ちなさい」とアドバイスがあったのを私が間違えた形で漫画にしました。大変な間違いです。その後、婦人科医に取材して今回の漫画を描きました。娘にも接種させました。私の間… https://t.co/CP871xxVQy"

何が不味かったかを明らかにした上での全面謝罪、発言の撤回、これができる人を本当に尊敬する。できない人が9割以上だからね……。

2020/01/07 13:48

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上念 司 on Twitter: "私も山口さんをこれまで擁護してきたことについて責任があるので、アベプラ出演前にコメントしておきます。結論から申し上げて、この判決を受けて山口さんを擁護するのは難しいと思いました。 性暴力被害、伊藤詩織さんが勝訴 元記者に賠償命令… https://t.co/aEjn0uKRKt"

公の場で間違いを認めて撤回するのはとても勇気のいることで、その点において尊敬する。これまでの被害者への侮辱に対する後悔や謝罪などは見られず、その後のツイートで残念な発言をしているのはクソです。

2019/12/19 08:46

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HPVワクチン 厚労省はいつ積極的勧奨を再開するのですか?

この世界の大人たちは間違ってたことに気づいても「私は間違っていました、当時の発言は撤回し謝罪します」と言える人が全くおらんよね。間違わない人なんかいないのに、全員我は無謬という態度を、虚勢を崩さない。

2019/07/26 21:57

b.hatena.ne.jp

清水栄助 on Twitter: "海外のSNSで出回っているこの写真、BBCの報道によると安倍首相がトランプ大統領の親書を持ってイランのハメネイ師に渡そうとしたが受け取りを拒否されたということらしい。受け取りを拒否されるのも間抜けだし、親書を尻の下に敷くのも失礼だ… https://t.co/Gklfcl3AdO"

間違わない人間などいないのだから、長くネットで言論活動してるのに謝罪&発言撤回をしたことない人は「常に正しいことを言う人」ではなくただの謝ったら死ぬ人とみなして良い。逆に謝罪&発言撤回する人は尊敬する。

2019/06/15 22:18

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ダメな政治家を叩くより有能な政治家を応援したいんだが

俺は長島昭久河野太郎に謝罪して発言を撤回したときその謝罪ツイートのリプ欄ですごい褒めた。間違いを認めて謝る、それこそは政治家に持っていてほしい姿勢だから。ちゃんと見てる人がいると伝えたかった。

2018/10/22 12:18

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「首相案件」面会メモ 愛媛知事が認めた加計文書全文:朝日新聞デジタル

官邸の戦略で無理なのは「部分的に間違いを認めて謝罪撤回」みたいなことを一切拒否し続けていたこと。正義は無謬でなければならないという無謬主義が事態をややこしくする。またその戦略がワークしちゃうからな。

2018/04/11 07:25

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自分なりに考えたこと - ヨッピーのブログ

当初2~3日はアンチはあちゅうなネット民も満場一致で味方だったし優しかったと思うが…アンチだと名乗るのが気に食わなかったのかなぁ。さておき、まっすぐ謝罪できる人は常に最高にリスペクトする。よかった。

2017/12/22 01:42

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「自分の長年の研究は何だったのか」廣瀬陽子教授はウクライナ侵攻を予測できず悔やんだ。それでも研究を続ける理由とは?

率直に自分の誤りを認められる専門家こそが一番信頼できると思うが。人間の脳は自分に都合良く記憶を改竄する性質があるので、しらばっくれて「こっちのパターンだったか~」などと振る舞わないだけ立派だし尊敬する

2022/04/10 10:25

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MIT Tech Review: 英政府、独自の新型コロナ「集団免疫」戦略を修正へ

官僚だろうと政府だろうと専門家だろうと「誤りとわかればすぐに認めて撤回する」ことの尊さをみんなもっと尊敬し称えるべきではないか?大小問わずそれをできる人が少なすぎることが、至る所で悲劇を増幅している。

2020/03/18 10:13

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表現の不自由展に脅迫ファクス送った疑い、会社員を逮捕:朝日新聞デジタル

自作自演だの狂言だの言ってた人たちで、素直にごめんなさいできた人は立派だし尊敬するよ(全然見当たらないが……)。間違いを認めるどころか悔し紛れにシームレスに津田叩きに繋げる人は軽蔑するよ。

2019/08/08 06:27

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ここまでで、増田と俺がほぼ同じ価値観を持っているであろうことは理解していただけるのではないだろうか。

 

その上でだが、

 

「間違ったら謝る」

「間違っても謝ればいい」

は全然ちがくね?

 

前者はヨッピーも否定してないよな。上にも貼ってあるけど、わりとよく謝ってるし。でも後者は、単に不誠実な開き直りじゃん。

 

普通、雑な因縁付けて、その大半が「雑な因縁だった」と判明したなら、そもそもに立ち返って反省するところだろ。雑な因縁付けた側が「間違っても謝ればいいじゃん」と主張するのは不誠実でしょ普通に……。

 

ヨッピーが言ってる非対称性はわかるじゃん。匿名書き捨ての無責任男・増田ならお気楽極楽に雑なこと書いても「謝ればいいや」とできるんだよ。どうせノーダメージだし。潔く謝罪してブコメで褒められるだけでノーリスクだ。ヨッピーが同じことしたら、「こんな雑な決めつけで攻撃した時点でヨッピーはクソ野郎だな」となる*2。だからヨッピーは重いリスクを負いながら慎重に発言しなきゃならんわけ。できてるかどうかは別よ。

 

「他人に雑に喧嘩を売って、それらの言いがかりが否定されて3回も謝る羽目になる」というのは、謝ったから偉い以前に、名前出してやってる人なら相当な「やらかし」なんだよ。しかも今回のは、うっかり間違えたとかじゃなくて悪意に基づいた決めつけなわけだし。それでセーフっぽくなってるのは増田がAnonymousだからだよ。安全かつ気軽にミスできるのは名無しの特権なんだよ。増田はリスクゼロでしょ?

 

「謝ればいい」「ブコメでも謝罪は褒められてる」と主張する前に、「雑な決めつけで他人を攻撃・説教したが、だいたい的はずれだった」という事実を増田が認識する必要があるんじゃないの?

 

で、ライター論ね。俺も出版業界に長くいたので感想を言うけど

 

ヨッピー:「間違ったら謝っておけばいいじゃん」という感覚は、ライターの感覚としては普通ではない

 

増田:増田は「ライターだろうと人間なので間違えたら謝るのが当たり前」と考える。
増田:そもそも、ライターでも文章を間違える事はめちゃくちゃあると思ってる

たしかに噛み合ってないね。なんで噛み合ってないかっていうと増田の読解力がなさすぎるからでしょ。

 

断言するけど、ヨッピーだって「ライターでも間違えることはめちゃくちゃある」「間違えたら謝るのが当たり前」には同意するだろうよ。俺も元編集として同意する。

 

でも、「間違ったら謝っておけばいいじゃん」なんて意識を持ってるライターには怖くて仕事頼めねえわ。

 

「どんなに気をつけていても人間は間違ってしまう」のであって、だからって「誰でも間違うんだから雑に書いてもいいんだ」とはならんのよ。

 

他人に喧嘩売るなら、そもそもあんな雑な決めつけをせずに、ライターらしく「気をつけて書く」必要があったんだよ。3回謝ったから負けとかじゃなく、他人を攻撃する文章ひとつの中に、3つも謝罪ポイントが発生するその雑な姿勢が問題なんじゃないの。*3

 

例えば仮に暇氏が「今までのコラボ疑惑は大半が俺の勘違いや言いがかりだったみたいなのでそれらについては謝罪するわ。で、それはそれとして住民監査請求の件だけど~」ってしれっと流したら「いやいやいや!けっこうなデマあったよね!?」ってならんか?

 

もっかい書くぞ

 

「間違ったら謝る」

「間違っても謝ればいい」

は全然ちがくね?

 

 

ブコメを受けてマイナビのアンケートを追記

奢り奢られ論争について。 - はてブの出来事

「男性が奢るべきか」と「奢られたらイヤか」は全く違う結果になるだろうという話が通じていない増田。https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/47136 ちなみにここだとイヤ派は7.1%で圧倒的少数派。

2023/02/27 13:57

b.hatena.ne.jp

 

junglejungle 氏からこのようなブコメをいただいた。

2017年、マイナビによる大学生を対象とした調査のようだ。

 

同い年の男子に食事を奢られるのはイヤですか?嬉しいですか?



というわけで、この調査においては183人中170人、実に92.9%の女子大生が、男子からの奢りを「嬉しい」と回答したようだ。圧倒的じゃん!あくまで「マイナビに登録していた就活生が対象の、6年前のデータ」という条件ではあるが。

 

正直イヤ!派の意見

嬉しい!派の意見

 

これらの声を見るに、ヨッピーの「実際に男から奢られたら嬉しいって女性の方が多いのでは」という主張にわりと合致した結果であるように思える。*4

id:asazukekun氏も、氏に☆付けてた人も、これなら納得できそうだろうか。そしてやっぱり仲人Tさんって神だわ。

 

ただ6年も経てばかなり常識は変わるよねということには留意したい。「女子大生」って言い方もマイナビのような企業がするのはポリティカルにコレクトか?という感じもする昨今である。見る限り4年制大学の人ばかりだが、男子大生とは言わんしね。俳優と女優みたいな。

 

ともかく、

 

web.archive.org

 

これについては若者代表増田(勝手に命名)の勇み足だった感じもあるんじゃないの?女子大生の92.9%が「男子からおごられると嬉しい」というデータは俺もまあまあびっくりだけどな。増田も主語がややデカかったことない?

 

アンケートを踏まえての結論

そしてここ(男に奢られて女性は嬉しいのか?)はそもそも本題じゃなかったんだよね。

 

ヨッピーの最初のnoteだって結論としては「今後も男女平等が進むことで、男が奢るという文化はなくなっていくだろう」みたいな締め方だったし。あくまでも「なぜ男の奢りになっている/いたのか、それは女性優位の市場原理によるものである」という分析と「市場の変化により今後は男の奢りはなくなっていくだろう」という展望が主でしょ。

 

note.com

そんな風にツラツラ書いてきましたが、なんだかんだこの「奢り奢られ論争」についてはそろそろ終結しそうな気がするな、と思っています。


何故かと言うと男女平等の前提がどんどん当たり前のものとして浸透していくと同時に、前述の市場原理で言うところの「女性優位(=選択肢を持っている)」という状況が終わりそうだな、と思っているからです。

 

ヤリモクのマッチングアプリなんかだとまだまだ女性は入れ食いらしいからその市場については「男性が奢るべき」で貫けば良いんだろうけど、婚活の現場なんかだとむしろ男性が少ないらしいし、男性の草食化も言われてるので「男性が奢るべき」という風潮が多少なりとも残っているにしてもそれがそのままマナーとして通用する市場はどんどん縮小している気がします。そのうち消える運命にあるんじゃないでしょうか。

これ自体は「たしかに~」としか言いようがない。例の増田がなぜあの「僕は奢りまくってます」というヨッピーの個人的な自己開示パートに噛みついたのかはようわからんな。ヨッピー個人がどうしてるとかは余談でしかないのに。

 

まあ「お前のことは知らんがな」「その自分語り、要る?」というツッコミはあってもいいかもしれんけど。ヨッピー的には共感してくれる人もおるやろと思って書いたのだが、増田のような層からは反発があり、そして結局どっちの「感覚」が正しいのかなんてない。正解のないところに「ヨッピーの感覚はずれてるよ」と感覚だけで切り込んだのが悪手だったのかもね。

 

どうでもいいところに絡んだ結果、そのどうでもいいパートについてはヨッピー別に言うほどずれてもないし間違ってもなかったっぽいんじゃねえのというのが今の段階だろう。なぜどうでもいいところに絡んだのか。若者とかはてなとかを代弁できると思ってしまったのか。

 

これはおじさんを連呼していた最初の増田(若い女性代表増田)もだし、2人目の増田(はてな代表増田)もだし、あるいはヨッピーもモフモフ社長も、そして俺も気をつけた方がいいのだが、「今の若者はこうなんだよ?本当の若者像を知らないおっさんずれてるね」と勝手に若者理解代弁マウントするのは危険傲慢極まりない行為なのよな。最後はもうなんらかの定量的なデータで語るしかないんじゃよ。俺なんか若者のこともおっさんのこともわからんよ。

 

本件についての俺の最初の言及はこれ。やっぱり合っていた。俺スゴイ。日本スゴイ

ヨッピーさんは「女は男からおごられると嬉しいだろ」っていう前提をやめてください

そんなの人それぞれなのでヨッピーも増田も主語がデカいことないか?かつて「結婚物語。」のTさんが「だから!男は!全額払え!!」と発してはてブ喝采を浴びてたが、そういう「風潮」を消す方向で共闘しようぜ!

2023/02/25 16:01

b.hatena.ne.jp

 

*1:てか、ヨッピーの最初のnoteにおける問題の発言も「俺ら(男性陣)死ぬほど飲むし」という但し書き付きだよな。それも「身内の飲み会では」「そうしたりもする」など付帯条件が多い。

*2:すでにヨッピーから説明がなされている通り、「謝ったからクソ野郎扱いされる」のではなく「やらかしたからクソ野郎扱いされる」のだ。増田はなぜかヨッピーの主張を前者だと思っているだろ。そして謝罪した人を責めるのはおかしいが、本人が「謝罪しましたけど?」という姿勢を取るのも不誠実に見えるのよ。

*3:上のライターの感覚論ひとつ取っても、自分の謙虚かつカッコいい主張ありきで、脳内ヨッピーに変な先入観持ってるから誤読してるんだと思う。

*4:別に「嬉しくない人は異常だ!」みたいな話じゃないからね。過去記事にも何度も書いているが、多数派だから正しいなんてことはないし、少数派だから異常者だなんてこともない。単に2017年当時の人数分布はおよそこんな感じだったっぽいですねというだけ。

党派性はクソシリーズ:「○○は嫌いだけどこの件に関しては支持する」の尊さ(ブコメ返信)

本題

b.hatena.ne.jp

昨日ファーストブクマした記事がけっこう伸びていたのだが、ブコメでは本題から脱線して、「乙武は過去の悪事や人間性があるから嫌いだ」という指摘が多々あった。

 

さらにそこから、以下のような話題に派生していた。

※2023/02/13、id:bandosuguru氏の指摘を受けてid:yykh氏のブコメを追加。

 

yykh 私はこの人のこと全然好きじゃないけど、これはほんとにそうだな/私もアライさんなのだ〜

lnimroder 著名人がこういう表明をするのには意味があるけど、イタリアンレストラン入店拒否ファンネル攻撃5股の乙武氏は嫌いです。

incubator 「私はコイツ嫌いだけど」と書かずにはいられないムーブ、何なんだろ?「自分は人ではなく意見で判断する公正な人間です」というアピール?でも実際は単なる負け惜しみ・捨て台詞のように見え、器の小ささを感じる。

haha12345 id:incubator (略)ほんまはてブ民には毎回ドン引きですわ。/id:bandosuguru 色々言いたいが、どう考えても「○○だけど、□□な××は嫌いです」という逆説を用いた文は後半部の執拗な攻撃が主な主張だ。

teraph コイツ嫌いだけど同意ってワードにそんな揚げ足取る必要ある? 心の動きとして抵抗あるのは想像に容易いでしょ。なお俺は乙武さん結構好きです。「五体不満足」で勇気をくれたから。

bandosuguru "コイツ嫌いだけど"の定番前置きは、意見と人格の分離ができないわーくににおいて、「あくまでも意見を支持しているだけなので、人格支持と誤読して"この人"派側とラベリングしないでね」ってリスクヘッジだと思う。

shinnosukee えこの人嫌いだけど…って言葉は別に良くないか?少し見直した的なニュアンスも入るはず。

 

この話題については俺も持論があり、過去記事から引用しよう。

 

shin-fedor.hatenablog.com

 

最後に余談だが、党派性といえば最近はあちゅう騒動の際によっぴー氏が「嫌いだけど支持するとかいう奴らなど不要だ」と多くのネット民を攻撃し炎上した。筆者が思うに「嫌いな奴だが、この件については全面的に支持する」だったり、逆に「尊敬する先生だが、この件については全く擁護できないし否定せざるを得ない」という表明は、党派性の呪いから解き放たれており、むしろ尊いと感じる。

 

「大きな正義のためには、小さな悪など全部無視すべき。我々は絶対正義なのだから、少々の悪事で騒がれて足を引っ張られるなどあってはならない」

 

「加害者は100%加害者、被害者は100%被害者でないと都合が悪い。正義が弱まって不利だ」

 

という態度は、今や党派を問わず主流の考え方に思える。

これは大変に息苦しく、「大きな正義ではあるがそれはそれとして、小さな悪はしっかり認めて、謝り、改めよう」という当たり前の空気が醸成され、そうした人こそが信頼を得る社会になることを望む次第です。

 

尊敬する人だろうが、味方サイドの人間だろうが、クソなことはクソと言わなければ、世界はクソゲーと化す。筆者はどちらかといえば消極的安倍政権支持者だが、今回のクソっぷりは逃げ切らせては後世に巨大な負の遺産を投げることになろうと思う。

 

ただ、今回のきっかけになったid:lnimroder氏の発言は、id:haha12345氏の指摘どおり

 

「○○なこいつは嫌いだけどこの発言は支持する」

 

ではなく

 

「この発言は支持するけど○○なこいつは嫌い」

 

という順番だったため、「○○」の蒸し返しの方に力点が置かれている印象は強まっていると思う。

id:bandosuguru氏のご指摘どおり、発端が別の方だったので訂正します。

 

というわけで若干イレギュラーな話ではあったが、改めて大文字で申し上げるに、

 

嫌いな奴だが、この件については全面的に支持する

だったり、逆に

尊敬する先生だが、この件については全く擁護できないし否定せざるを得ない

という表明は、党派性の呪いから解き放たれており、むしろ尊いと感じる。

 

今後ともこうした表明は、わざわざ言っていきたいと思う次第である。

 

 

 

いただいたブコメとブログコメに回答

 

bandosuguru ワイのはyykhさんの「私はこの人のこと全然好きじゃないけど、これはほんとにそうだな」に対してだから、順番逆じゃないよ。

ほんまや。見落としていた。俺とid:haha12345氏が見落としていたということかな。失礼しました。

 

incubator 「○○の意見に同意」と単に書けば良いものを「△△氏は嫌いだけど」と人格批判を付言せざるを得ないムーブこそ、意見ではなく発言者の党派性に縛られたポジショントークと感じたのです。こういう意見もあるとは思う

俺とは意見が違うものの、これはこれでわかる。俺は100%肯定や100%否定しかしない党派主義がこの世界をクソにしている元凶だと思っている。アベの政策を支持するなんてネトウヨだ、安倍さんに言いがかりつけるやつはパヨクだ、と物事を単純化する勢力があまりにも強すぎる。そこで「安倍さんはクソだがこの政策はアリだろ」「基本安倍さん支持だけどこれはクソだろ」とわざわざ言うことで、党派でしか判断しない人々にいちいち水を差していきたいという意図がある。

 

koo-sokzeshky 同感。まあ文脈情報として、この発言者はこういう傾向だよという話も無価値ではないのよね、問題はその混同かな。意図についてはラベリング回避意図、下げて上げる意図、チクリと刺しとく意図、なかなか峻別は難しい

たしかに受け取る側のバイアスもあって真意はなかなか読み取れないのはあるかも。まあ意図は発話者がなるべく伝わるように書き、伝わらなかったら精進するしかないなぁ。俺は発端となったid:yykh氏の表明はちゃんと乙武さんの「言動」を評価しており、尊いと思う。オレも乙武さん、嫌いだし。(藤川球児っぽいニュアンス)

みんなが好きな人の言動を否定したり、嫌いな人の言動を肯定できるようになった方が、世界は風通し良くなると思うんだがなぁ。

 

敗北主義者 (id:Runawayfromwarsofjustice)

incubator氏の "「○○の意見に同意」と単に書けば良いものを「△△氏は嫌いだけど」と人格批判を付言せざるを得ないムーブこそ、意見ではなく発言者の党派性に縛られたポジショントークと感じたのです。こういう意見もあるとは思う"というブコメ
koo-sokzeshky氏の "同感。まあ文脈情報として、この発言者はこういう傾向だよという話も無価値ではないのよね、問題はその混同かな。意図についてはラベリング回避意図、下げて上げる意図、チクリと刺しとく意図、なかなか峻別は難しい"
というブコメを見るに、
「普段は○○と合わないが今回は同意」のような書き方ならいいのだと思います。これならincubator氏の言うような「人格批判」にはならないかと

 

まあそうですな。「嫌い」という言葉がやっぱり強いので「普段は合わない」のような丸めた表現ならより角が立たない。ただ、「嫌い」という言葉の含むニュアンスはけっこう失われるかな。乙武さんが嫌われているのは、意見が合う合わないというよりも5股不倫とか、レストランへのクレーム&ファンネル攻撃とか、人間性の部分が大きそうだし。

 

俺はレストランにクレーム入れたときは乙武さんの傲慢さを批判したし、不倫にはドン引きしたが、あの人も日々学び成長されているとも思うので、良いところは良いと言っていきたいのだ。 しかし俺が思ってたより100倍ぐらい嫌われてるな乙武さん!

「○○すりゃいいじゃん」「なんで○○しないの?」の暴力性

先日こんなブコメをしたので、日ごろ思ってることを書いてみたい。

 

餅屋🧲⚡️ on Twitter: "【大至急!!拡散希望です!!!】 子どもと近所で遊んでたすぐそばに落ちていた物で息子が拾ってしまい、すぐ離すように伝えたあと置いたものを見たら、放射線マークがかかれていて、鉛のように重かったためとても心配になり有識者の方がいらっし… https://t.co/E4MX2xJzbO"

この「なぜ○○しないの?」については長らく課題意識がある。なぜ、「なぜ○○しないの?」と思ってしまうのか。近々まとめたい。

2022/11/04 06:54

b.hatena.ne.jp

 

「○○すりゃいいじゃん」

「なんで○○しないの?」

 

日ごろ、いろんなニュースに対して掲題のような疑問を抱く事は多いし、俺自身も実際そういったコメントをネットに書き込む事がある。*1

 

が、これ実はかなり雑で暴力的なコメントになっている事が多いよな?

 

ある人が、傍から見たら簡単そうな行動ができなかったり、合理的な思考ができなかったりするのには、必ず理由がある。

 

この手の暴力は本当に俺自身もしょっちゅうやっちゃってるので、野蛮人を非難したいという主旨ではない。自戒も込めつつ、他人にも提起したろうという意図を持って書くものである。人権問題とかを見ていても、心に棚を作らないと世の中は良くならんからな。

 

 

 

総論

 

まず総論として、

 

人間とは個人単位でも組織単位でも不合理な生き物である。

 

うまく説明できない感情の機微によって、「なぜか」何かをしたり、「なぜか」何かをしなかったりしてしまう。

 

そのあたりの不合理性を研究しているのが行動経済学なのかなと思っている。

 

honto.jp

 

honto.jp

 

以下、もうちょっと場合分けしてみる。

 

1.「貧すれば鈍する」

これは上記の書籍「欠乏の行動経済学」に詳しいのだが、トンネリングという概念があり、簡単に言うと

 

何かに思考のリソース(心的資源)を専有されてしまっているが故に、処理能力に負荷がかかり、他の事が全ておろそかになり、認知能力が低下し、当たり前の判断すらできなくなっている状態

*2

 

という感じである。この「何か」は、時間であったり、金銭であったりする。

 

そして欠乏は連鎖する。金がないと月末の支払いの心配が頭を離れず、結果として時間もなくなり、合理的な行動ができず、貧しい者はさらに貧しくなる。この悪循環を表現した慣用句が「貧すれば鈍する」であろう。

 

就職氷河期突き破って闘ってきたけど、もう疲れた。泣きたい。

貧すれば鈍するのは経済的なことだけでなく、やることが多すぎても頭は悪くなり判断力が消え去る。欠乏の経済学。ブコメにあるように専門家に相談して、まずは父親の介護関係を切り離そう。責務が減れば頭は動く。

2020/01/11 13:10

b.hatena.ne.jp

 

 

維新の会所属議員や、幻冬舎近辺のしばき上げ主義の方々(田端さんとかホリエモンとか)が、マッチョで合理的な「正論」を述べて、貧乏人や弱者を見下している光景をたまに見かける。

 

「貧乏人は怠け者で情弱だから貧乏なのだ、自業自得だ」

 

という主旨のマッチョトークは誰もが見たことがあるのではないか。

 

が、田端さんも堀江さんも何かの拍子に欠乏の連鎖に陥り、アンコントローラブルな状況が続けば合理的判断はできなくなるのだ。この事については、俺はしょっちゅうブコメしている。

 

貧乏人の無駄な努力

堀江・田端タイプのマッチョだな。正しい努力ができる/できないの差は主に置かれた環境によるもので、個々人の性質は大した変数ではない。あなたも必ず貧すれば鈍する。「欠乏の行動経済学」を読もう。

2020/04/15 08:37

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ケータイ代のため食費削る「現代病」の闇 - ライブドアニュース

MVNOにしない情弱は自己責任みたいな論ってたまたま運で成り上がった田端信太郎的な人種が言いがちだけど、貧困層は情報不足かつ疲れ果てておりコンビニATMに高い手数料払ったり割高なカップ麺食ってたりするのだよな

2019/07/28 14:13

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「俺らが生きづらい社会」は「あいつらが生きやすい社会」 - シロクマの屑籠

知能で分かれると思われている境界の多くは実は運で分かれてると思うんだよなぁ。環境ガチャでしくじればどれだけ知能が高くても地を這う確率が高いだろう。

2019/08/05 22:11

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お前らのホームレスの解像度をあげてやる!!

サンキュー増田。貧すれば鈍するはガチで、これを甘く見てる人が「なんで貧困層のくせに○○しないの?」とアントワネット化する。皆「欠乏の行動経済学」を読んでくれ!貧困層が太ってるのは頭が悪いからではない。

2022/11/22 12:41

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マッチョたちがよく言うのが、

ブラック企業で自殺するぐらいなら辞めればいいじゃん」

「死ぬぐらいだったらブラック社長を殺せるだろ」

といったマッチョ正論である。

 

しかし、日々追い詰められ、死を考えるような人間には、「辞める」とか「殺す」はハードルが高すぎる。「死ぬ」の方が圧倒的にハードルが低いのだ。

 

辞めたり殺したりするのにはものすごくエネルギーが要る。追い詰められた人間にはそんなエネルギーはない。考えることが億劫だ。なんなら選択肢としてすら浮かばない。トンネリングを起こしていると、認識できる選択肢は極端に少なくなる。

 

かといって、生きている事の苦痛に耐えられない。この場合、選べるのは「生きる」と「死ぬ」の二択だ。となれば、生きる辛さから逃れるために「死ぬ」という選択肢にまっすぐ向かってしまう。俺も過去にこの二択に苦しんだ。薬の力で立ち直った。

 

精神的な話だと理解できない人でも、9.11でも見られたような「高層ビル火災で、煙に巻かれる苦しさに耐えかねて飛び降りる」という心境は想像できるのではないか。ブラック企業には耐えられない。もう1秒生きている事にも耐えられないのである。

 

人間にもセーフモードがほしい - やしお

名文。俺も心当たりがある。追い詰められて判断能力をなくしていた時期が何度かある。「なんで辞めないの?」などと平気で言える人間には見えていない光景だ。

2019/02/07 21:12

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俺たちのようなネット軍師・事後諸葛亮がいろんなニュースに対して気軽に「合理的な正論」を吐いたり神算鬼謀を披露してしまうのは、当事者をメタな視点から俯瞰しているからであり、いわゆる岡目八目という慣用句が当てはまるだろう。

 

ウクライナへの“千羽鶴”に賛否 寄贈断念も…「無意味」批判の声には疑問(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース

俺たちは散々ネットで「迷惑に決まってるだろ」という情報を得ているので、あたかも生まれた時からリテラシーを備えていたかのように高所から叩いてしまうが、人類はそもそも相手の気持ちを考える能力が弱いのでは。

2022/04/20 08:44

b.hatena.ne.jp

 

2.アイドル状態とパニック状態

トンネリングが起こるのは「長期的な欠乏状態」のときだけではない。一瞬の出来事であっても、短期的にも、さまざまな状況で、人間は合理的な判断ができなくなり、説明しづらいような行動を取ってしまう。以下の状況は単体で終わるとは限らず、それぞれが複合・連鎖しやすいので、たやすく悪循環にハマる。

疲れている

これはわかりやすい例で、疲れてるときは、自分でもなんでそんな行動を取ったのかわからない、説明しづらいおかしな行動を取ってしまうものだ。

 

現実を咄嗟に認識できない

アカデミー賞の式典で、クリス・ロックに妻を侮辱されたウィル・スミスが、最初は他の観客と一緒に笑っていたのだが、何を言われたかを理解してステージに上がって怒りのビンタをかました事件があった。

 

これを見て「ウィル・スミスも最初笑ってたじゃん」という声があったが、あれは「コメディアンが面白そうな表情で何かをまくしたてた」という状況に対し、「反射」でとりあえず笑顔を作っていただけなのではないだろうか。他の観客も、意味を飲み込む前に反射で笑っていた人が大半であろう。人は、思いもよらないタイミングで、笑顔で浴びせられた差別発言とかに即座には反応できない。

 

人間のコミュニケーションというのは、大半は深く考えずに反射で行っているものである。一言一言熟考しながら同時に喋ったり笑ったりするのはなかなか難しい。

 

菊間アナが命綱外れて転落して大怪我をした放送事故でも、スタジオの小島アナらは「外れちゃったんだー」などと笑ってしまっていた。これは責められんよ。頭がほのぼのニュースモードだったのを、一瞬で放送事故モードに切り替えるということは、そうできんよ。

 

「お前笑ってたじゃん」は、安易に言えない言葉だ。なのだが、こういう反応を他人に説明するのは意外と難しい。「なんで笑っちゃったんだろ」と自分を責める事になる。

 

恐怖と混乱で思考が凍りつく

尊厳を踏みにじられる

 

これらはトンネリングとは違うかもだが、人間は恐怖や混乱や衝撃の中では合理的な行動が取れなくなる。結果、説明しづらい行動を取ってしまったり、逆に何もできなかったりする。

 

恐喝されたり痴漢されたりした被害者に「なんで声出して助けを求めないの?」「なんで逃げないの?」みたいな疑問をぶつける人がいるのだが、実際自分がヤクザや関東連合に絡まれるなど、無茶苦茶な状況に置かれて、正しい行動を取れるのかどうか、冷静に考えてみてほしい。頭が真っ白になり、「怖い」という感情で脳のリソースはいっぱいになってしまう。

 

こうした衝撃が大きすぎると、先ほどの「咄嗟に現実を認識できない」が、数時間とか、数日とか、比較的長期に渡って発生する事もある。

 

胸糞悪い話だが、「カバキ事件」における小林よしのり「なんでレイパーの金玉を潰さないの?」といった疑問は、まさしく小林の想像力の欠如から来るマッチョ発言であろう。

 

この恐怖・混乱・尊厳系は、特に「実際自分がその身になってみないと想像しにくい人」が多いと思っているので、後ほどまた触れる。

どれにも該当しないが、ぼんやりと「自動行動」してしまう

これは発生する事象としては最初の「疲れていた」パターンと基本的に同じである。ある種の、つまり俺のような四六時中心にうつりゆくよしなしごとに意識を奪われているタイプの人間は、別に疲れていなくても、生活の大半をアイドル状態で自動的に過ごしている。

 

それで時に自分でも説明がしづらい不合理な行動を取り、妻に怒られたりしている。

 

「1秒考えれば分かるようなことを、1秒も考えずに自動的に行っているため、分からなかった」という状況だ。特に焦っているときの判断能力は我ながら目を覆うものがある。

 

3.学習性無力感

www.sanspo.com

引用する。

 

学習性無力感については、1967年に心理学者のマーティン・セリグマン氏らによる研究論文で発表された。理不尽で抵抗や回避することが難しいストレスや抑圧の下に長期間置かれると、「何をしてもムダだ」と考えるようになる。そしてストレスや抑圧から逃れられる機会があっても、逃れようとする努力すら行われなくなるという現象だ。

 

 少女も逃れようのない心理的な圧迫を受け続け、学習性無力感を抱くようになったと考えられるのだが、こうした例は拉致監禁の被害者に限らずDVの被害者、学校や会社でのいじめ・パワハラの被害者、そして捕虜にもよくみられるとされている。

 

さっきの小林よしのりのカバキ事件にも通じる話だが、新潟や埼玉で、男に誘拐された少女が、数年間監禁されていたという事件があった。

 

こうした事件の被害者が、犯人と一緒に外出したり、犯人が不在で脱出できるチャンスがあったと報じられると

 

「なんで助けを求めなかったの?」

「逃げるチャンスいくらでもあったのになんで逃げなかったの?」

 

といった心無い言葉が投げつけられた。これらは学習性無力感という言葉で説明されている。助けを求めても相手にされないのではないか、もしかしたら声が出せず、犯人にバレるのではないか、逃げようとしても犯人に見つかってしまうのではないか、そんな深層の恐怖心で、「声を出す」「逃げる」といった選択肢が薄れていってしまう。

 

news.yahoo.co.jp

余談:「正しい被害者」像

上述の少女誘拐事件では、「犯人と雑談したり、冗談を言って笑ったりしていた」という報道を受けて「自由恋愛だったのでは」などという者も出てきた。

 

「被害者が○○するわけがない」

 

という偏見だ。

 

しかし、ストックホルム症候群なんて言葉もあるが、いつ殺されるかわからない状況では、人間の心は壊れてしまう。そのため、孤独で絶望的な状況の中でも心を守るために、状況に適応し、少しでも笑ったりリラックスしようとするのは当然の反応だ。

 

それに犯人との圧倒的な権力勾配がある以上は、犯人に忖度し、犯人が望むように振る舞うことも自己防衛だ。生殺与奪の権利を奪われていると、憎むべき犯人というより、「この人に逆らってはならない」「この人を上機嫌にさせなくては」という思考に支配されてしまう。

 

こうした想像力がないと、

 

「被害者が○○するはずがない」

 

という素朴な偏見から、被害者を非難したり、妙な邪推をしてしまうことになる。

 

昨年、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、在日ウクライナ人のナザレンコ・アンドリー氏が、「ウクライナは降伏すべきだ」と主張する橋下徹氏とインターネット喧嘩を展開した。

 

そしてナザレンコ氏が北海道に向かった旨をツイートしたところ、橋下氏が「仲間が大変な時に北海道を楽しむのか」といちゃもんを付けた。

 

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これ自体は「実は講演の仕事で行ったのであって遊びに行ったのではない」ということで橋下氏が袋叩きに遭ったのだが、俺は仮に「遊びに行った」でも問題なかったと思う。

 

アンネの日記じゃないが、本当に辛いとき、生き地獄を味わっているときでも、あるいはそんな時だからこそ、人間には遊びや楽しみくらいは必要だ。

 

あるいは伊藤詩織さんに対して「本当の(性犯罪)被害者は会見で笑ったりしない」と主張した山口敬之氏も、当然のことだがネットで袋叩きに遭った。*3

 

(社説)伊藤氏の勝訴 社会の病理も問われた:朝日新聞デジタル

ネットの反応見ると、今まで本事件を「よくわからん、どっちもどっち」みたいに扱ってた人の多くもツッコミに回っている。それほどまでに「性暴力被害者は笑ったりしない」という主張は時代の感覚と乖離しすぎてる。

2019/12/20 13:12

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「僕の考えた正しい性被害者」像に当てはまらない人を「ニセ被害者」扱いすることの非道が、きっちり世間から非難されたのだ。人情は廃れず。

 

伊藤さんの著書「Black Box」では彼女が「正しい性被害者像」にいかに抗ってきたか、そしてなぜ抗ってきたかが語られている。

 

4.その他、「一言では説明できない理由」でできない場合

俺はこれまでの人生で、仕事絡みで炎上まではいかないが、知っている会社や商品やサービスがネットで叩かれているのを見る機会が何度かあった。

 

そうした時に痛感したのが、ネット世論が考えているようなわかりやすい悪のストーリーなんかあんまりないのだなーということだ。だいたい何かしらしょうもない、あるいはしょうがない理由だったりする。

 

情報不足な報道から描かれるストーリーの多くは、詳細報道逆サイドからの報道を摂取することでどんどん印象が変わっていく。

 

直近で言うと、Colaboのバスカフェ批判もそうだ。少女の保護活動を行っているColaboが、新宿歌舞伎町で、少女たちが気軽に立ち寄れるバスカフェというものを運用しているのだが、それに対するなにやら不確かな情報が拡散され、

 

「夜の2時にコンドーム持たせて解散するのは売春推奨では」

「なぜ始発まで置いてあげないのか」

「なぜ保護してホテルやシェルターで寝かせないのか」

 

みたいな批判がTwitter上を飛び交っている。しかし、これ全部悪意に解釈したらそうなるんだろうけど、夜中に解散したり、保護しない理由なんか、冷静に考えたらいくらでも思いつくだろ。

 

桜ういろう on Twitter: "【悲報】ネトウヨさんが「コンドーム=サタン」の勢いでColabo叩きの大合唱を一斉に始めた理由が謎で、いろいろ調べたら統一教会的にコンドームは堕落の象徴だった事実が判明 #純潔教育 #Colabo https://t.co/HuaS9Vxac4"

2時に解散って言うほどおかしいか?保護を求める子はシェルターに入れるんだろうし。あのバス、敷居下げる為に誰でも気軽に来てね的に運用してるっぽいから、保護される気がない子の方が多くてもおかしくないんでは

2023/01/14 21:01

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これはColaboの公式回答じゃなくて俺の推測なんでアレだが、「例えば」でも理由はけっこう思いつくのだ。Colaboの人じゃないからこれ以上は想像の理由を書かないけど。こんなにも何もかもわかってない状態で何かを断ずるなんて無理だよ。*4

 

ほとんどの物事は、直感的に思いついた理由以外にいくらでも説明可能だという前提は持っておきたい。

 

「コロナこわいけどぉ、安倍の声聞いたら元気出た」――”工作疑惑"もささやかれた謎の大量ツイート、「最初の投稿者」に真相を聞いた

町山智浩さんが「やまもといちろうは芸能事務所にカネを貰ってると考えねば説明がつかない」と言っていたときにも書いたが「○○でなければ説明がつかないだろ!」という思考は陰謀論になりがち。

2020/04/10 09:20

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【追記あり】安倍元首相が若い世代から人気な理由を説明しよう!

「Aである理由はBであるとすれば説明がつく」というのは安心を得たい陰謀論者にありがちな思考なのだが、実際はCでもDでもEでも説明がつく。安倍支持者は無知なのだという「事実」で安心を得たい人は多いのだろうな。

2022/09/22 12:18

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バスカフェに来た子たちを強制的にシェルターに放り込むなんてできるわけがないのだし、現場の実運用を知らないのに、絡み方おかしいだろ。ナザレンコ氏とかひろゆきとか悪質すぎるよ。

 

ともかく、こうした想像力が足りていないと、

 

「難民がスマホ?贅沢だ!」

「被災者がパチンコ?そんな奴ら助けなくていいよ」

 

みたいな、はすみとしことか百田尚樹的な非難をしてしまうのである。スマホなんて難民に真っ先に与えられるべきインフラだし、被災者は1日中悲しい顔をしてラジオを聴いているべきなんてことはないのだ。

 

が、はすみとしことか百田尚樹を糾弾すればいいのかというとそれもまた難しくて、「○○すればいいじゃん」と言われても当事者からすると簡単にできないのと同様に、こうした人たちは別に知ってて酷いことを言ってるのではなく、ただただ想像の範疇外なのだ。最初に言ったとおり、俺も絶対やってるしね。

 

人間誰でも、自分のフィルターを通じてしか世界を観測できない。なので、こうしたことはもっともっと説明されるべきだと思っている。間違うことは誰でもある。間違えたら謝罪、撤回すればいい。というかそれしかできないよ。エスパーでも神でもないんだから。

 

なぜ少女保護団体がコンドームを配るのか

こういう説明も必要なんだよ。「なぜ難民がスマホを!?贅沢だ!」「被災者がパチンコを?不謹慎だ!」「子供を救うなら子ども家庭庁の方がいいでしょ、家族大事だし」みたいな人たちを蛮人扱いして殴るのではなく。

2023/01/12 13:44

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我々は、別に誰かに対して道徳的優位性を持っているわけではない。しかし、道徳的優位性などなくても、相手の辛い・苦しい・恐ろしいといったお気持ちを知れば、共感はできる。ということを過去記事で語っているのでよかったら読んでほしい。

 

もちろん説明しても理解されない事もあるだろうし、別に悪を詰ってもいいのだけど、一方で「これ絶対誤解だな」という場合もあるだろう。そう思ったら常に説明を試みる事が、世界を良くするはずだ。先ほどの少女誘拐事件についての碓井教授の記事でも、説明する事の重要性が語られている。

 

そして説明は、ほとんどの場合「一言」では済まない。はてブの100文字やTwitterの140文字で説明しきる事はできない。パワハラ、いじめ、性暴力などの被害者の複雑な心理を、「そんなこと全く思いもよらない」人々に伝えるのはそれなりに大変だ。世界はすぐには変わらない事を前提に、それをやっていくしかないのだが。

 

伊藤詩織さんの「Black Box」でも、「なんで○○しないの?」の残酷さが何度も出てくる。

 

 私はその後、自分を何度も責めた。どこかで、自分の中だけで解決できると思っていたのだろう。これは悪い夢なんだと。

 それでも、まったく事情を知らない人から、「なんで警察にすぐ行かなかったんだ?」と言われるのは、自分でそう思うよりも辛く、首を絞められるような思いがする。

(伊藤詩織「Black Box」より)

 

伊藤さんがすぐに警察に行けなかった心理は、彼女の本を読めば、「なんで?」と言っていた人たちもよく理解できるはずだ。一言で簡単に説明できる心理ではないが、読めば必ず納得できる信頼していた人物に、思いもよらない形で人間の尊厳を踏みにじられ、ひたすら衝撃と混乱と恐怖の中にあった感情の機微が生々しく綴られている。*5

 

俺は男だが、性的ないじめに遭っていた時期がある。この本を読む前から、伊藤さんの会見と山口氏の言い分を見た上で、彼女の言葉に一つの違和感もなく、むしろ理解できすぎたため、これは真実だろうと判断していた。こうした判断は、自身の経験でも大きく変わるものである。まあ経験を過信しすぎると間違うこともあるのもまた人間なのだが。

 

拝啓 伊藤詩織様 | 差出人は25年前の最も有名なレイプ事件の被害者 | クーリエ・ジャポン

レイプだけでなくイジメでもパワハラでも人間の尊厳を踏みにじられたとき被害者は混乱し説明しづらい行動を取ることがある。俺は男だが同じような経験があるから伊藤氏の気持ちはわかる。風化も歴史改竄もさせない。

2018/12/07 08:26

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かように、「簡単に一言では説明できない」が、「ちゃんと説明されれば理解できる」ということが世の中には多いのである。

 

我々は全員「特権階級」である

今回、俺は心に棚を作って幻冬舎界隈のマッチョな姿勢を糾弾してみたものの、これは誰でもやってしまう、人類に普遍的な課題だと思っている。基本的に人間は、自分が得ている特権は自分が己の力で得ていると考えてしまうものだ。

 

少し前にあった東大生に対する上野千鶴子先生の訓示なども、この観点からのものであろう。*6

 

見えない特権に守られていると、特権を持たない人の言動を理解できない場合がある。日本の健康な成人男性である俺などは、日々の暮らしを見えない特権バリアーに守られているから快適な人生を送っているのだろう。

 

まとめると、我々ネット軍師は他人の言動は好き勝手に論評・採点するが、自分が当事者になったら「当たり前の行動」ができない可能性がかなり高いよねということだ。

 

蓮舫さんみたいに他人の言動になんでもかんでも「非常識すぎて唖然としました」とか言えてしまうのは、実は「当事者でないことによる特権」だということ。

 

「なんで、自分なら常識的な行動を取れると思ってるの?」

 

何度でも忘れるので何度でも思い出したいものだ。

*1:これらの言葉はご家庭や職場でもカジュアルな詰めの際などに用いられるだろうが、今回は主にネットの話をする。

*2:本の中では例として、消防士の死因の多くが「交通事故死」だという調査結果を紹介している。緊急出動した彼らが、これから現地で行う消火活動に意識を占有され、トンネリングを起こしてシートベルトを締め忘れてしまったりドアロックを怠ってしまうというエピソードだ。

*3:この「本当の○○」系、例えば「本当のフェミニストなら~」「本当に表現の自由を考えているなら~」みたいな言い方もたいがいクソです。また別途書きたい。

*4:などと、いつも反射的にブコメしている俺が言うのもアレなのだが、最初に書いた通り、我々は心に棚を作らねば、世界は良くならない。日本の入管がいくら酷くても、中国の人権弾圧は非難すべきなのだ。「お互い様だから黙っとこ」であってはならない。

*5:むしろ伊藤さんが3日後に警察に行けた事がまだしも幸いというか、こうした性被害者のほとんどは警察に行けていないようだ。例えば丸田憲司朗、武内俊晴、千秋涼祐といった性犯罪者が捕まると、彼らのスマホからは40人といった多数の被害者の動画が発見される事がある。仮に39人ぐらいは泣き寝入りしていると考えると、こいつらはたまたま捕まっただけで、「捕まっていない犯罪者」がかなりいるのではないだろうか?

*6:もちろん上野先生自身もまた、自分が得ている特権に無頓着かつ「自分は特権を自覚できており道徳的に優越している」と思っているだろうが。誰もが何らかの領域においては特権階級であり、この世界が「特権階級と、特権のない弱者」に二分されているわけではない。

ブログの方針を決める

迷走しかけてたけどいったん我に返ろう。

 

ブログの方針を決めておかないとまた迷走しそうなので、記事にしておく。

 

  • そもそもネットをやっていない時の方が圧倒的に有意義である。変にのめりこんできたら正気に返ること
  • あくまでもはてブがメイン。ブログは別に全く更新しなくて良い
  • ボリュームを自分でマネージメントできる規模に留める。1万字とか超えるときは正気を失いかけているし、誰にも読んでもらえない。多分テーマ設定もうまくいってない
  • 3000文字を目安にする。基本、文字数を減らせば減らすほど良い記事になるということを忘れない
  • ブログ機能での演出に凝らない。後で読み返すとだいたい単にうっとおしい。過去ブコメ貼りまくると重い
  • 変に義憤心とか使命感でブログを書かない。絶対にろくなことにならない
  • 人の恨みを買わない。ここは魔境であり、どこで何がどうなるかわからないと肝に銘じる
  • ぎすぎすしない。ネットでぎすぎすしているところに行くと毒に当てられて死ぬ
  • 非難や説教をしない。自分も他人も平和でポジティブな方に行けるよう心がける
  • 脳内藁人形を論破しない。藁人形にも平和を旨として接するべし
  • 誰かに過剰に感情移入しない。その人たちにはその人たちの人生があるだけ
  • 極端な意見に対抗しようとしない。放っておいても人類社会はまあまあちゃんと進む
  • 日々憎悪を発する人たちのことを深く調べない。病む
  • 国民の生活が第一

この方針に伴い過去記事も見直していこう。特に変な義憤心で説教くさい言い回しになってるやつなどは閉じる。

表現の自由についての過去発言

shin-fedor.hatenablog.com

この記事からの派生で、備忘録として。

 

 

Whataboutismとか雑な蔑称について

また「表現の自由戦士はなぜロリエロにしか反応しないのか」というレッテル貼ってる増田がいるが、Whataboutismに対する俺の考えは常に以下である。

 

環境活動少女グレタはなぜ中国を批判しないのかと話題に CO2排出量は米国の約2倍、日本の8倍 : 痛いニュース(ノ∀`)

じゃあ中国の環境破壊は!?と思った人が中国を批判すればいいのよ。ある問題に対して何かをしている人に「Aだけなの?Bは?」と詰めるのは不毛。Aのことはよく知らんが、Bに詳しい俺やお前がBをやろうじゃないか。

2019/12/13 08:23

b.hatena.ne.jp

 

蔑称全般に反対する運動をしている。蔑称使った時点で、生身の人間じゃなく自分に都合の良い、悪魔化した脳内藁人形との戦いになっちゃうんだよ。

 

いまだに「低能先生」と呼称するはてな村の住人たちへ【追記】

ネットで使われる蔑称(ネトウヨ、パヨク、マスゴミ、糞フェミ、キモオタ、表現の自由戦士等も含む)って、見た瞬間に「あ、見なくていいやつだ」と脳内フィルターかけて自動消去できるのでわりと便利だと思ってる

2019/11/14 07:58

b.hatena.ne.jp

 

「表現の不自由展」も当然表現の自由の危機である

ああいう増田の偏見にもげんなりするのでついでに、俺は表現の不自由展でも、津田さんはアホで不備があるが展示自体は全力擁護していた。本当に「表現の自由戦士」って何よ?表現の自由は大事に決まってるだろうが。

 

「表現の不自由展」の不自由さについて|深津 貴之 (fladdict)|note

左右のバランスを欠きサヨ作品に偏っているという批判はあるけど、コンセプトが「実際に日本の展示会から締め出された作品集」らしいので、「実際に締め出されたウヨ作品」が存在しないと展示しようがないのでは。

2019/08/03 08:54

b.hatena.ne.jp

津田大介氏「変更含め検討」 表現の不自由展、抗議殺到:朝日新聞デジタル

批判はいいけど脅迫や嫌がらせはダメだろ。脅迫や嫌がらせで参ってる人に「批判はしないでくださいとはどういうことだ、批判も表現の自由のうちだ」と言って攻撃する人は頭を冷やせ。脅迫や嫌がらせは批判ではない。

2019/08/03 10:46

b.hatena.ne.jp

“表現の不自由展”中止へ。大村知事、京アニ放火事件を意識したことも明かす【あいちトリエンナーレ】

知事の対応、発言、立派だと思う。他の政治家のクソ発言の中で救いになる。

2019/08/04 07:33

b.hatena.ne.jp

津田大介氏が謝罪「想定を超えた。僕の責任であります」:朝日新聞デジタル

電話応対スタッフの名前を聞き出した上での脅迫や携行ガソリン云々の一線を越えた脅しがあったから中止を決めたわけで、「津田は他人を批判するくせに批判に弱い」みたいなブコメに☆が集まるのおかしいと思いますわ

2019/08/04 07:45

b.hatena.ne.jp

https://b.hatena.ne.jp/entry/4682944455686166114/comment/Shin-Fedor

表現の不自由展、中止に実行委が抗議「戦後最大の検閲」:朝日新聞デジタル

“というパターンでも同じことを言いなよ” 当たり前だ。誰だろうと守られるべきだし、脅迫とか平気でするしばき隊はクソ。表現の自由はウヨとかサヨとかで態度を決めるクソしょぼいバカどものオモチャじゃねえよ。

2019/08/04 18:06

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川上未映子’s Instagram photo: “・ ・ あいちトリエンナーレの 「表現の不自由展、その後」が 中止になりました。 議論は活発になされるべきですが、 展示に関して政治や政府高官などの発言により 制限と圧力が加えられたことに憤りを覚えます。 そして何より、 テロおよび危害予告など、…”

ガソリンとかで脅迫してきた卑怯者に対して怒るのではなく「自業自得」「覚悟なかったのか」「お前もラドウィンプス批判してたじゃん」などと被害者を叩くことしか考えてない人多すぎ。100%脅迫者が悪いだろ。

2019/08/05 06:28

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橋下徹「津田大介さんはどこで間違ったか」 必要なのは「手続き的正義」の考え方

津田氏の見通しの甘さ、色々舐めてたのは間違いないが、「反日かどうかを判定できない」のに、なぜ「一方的かどうか」「公平かどうか」は判定できる前提なんだろう?「実行力とは何か」という話なのはわかるけどね。

2019/08/07 20:19

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表現の不自由展に脅迫ファクス送った疑い、会社員を逮捕:朝日新聞デジタル

自作自演だの狂言だの言ってた人たちで、素直にごめんなさいできた人は立派だし尊敬するよ(全然見当たらないが……)。間違いを認めるどころか悔し紛れにシームレスに津田叩きに繋げる人は軽蔑するよ。

2019/08/08 06:27

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愛知トリエンナーレと「表現の不自由展」に行ってきた|瀬川深 segawashin|note

津田氏がこの程度の説明をできれば良かったが力不足。現代アートは文脈が命なので世間への文脈説明力が弱いと簡単に踏み潰される。例えば村上隆は賛否両論あるし俺も嫌いだが津田氏みたいな姿を晒すことはなかろう

2019/08/08 06:49

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あいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」をめぐって起きたこと――事実関係と論点の整理(明戸隆浩) - 個人 - Yahoo!ニュース

法よりも国民感情が優先される韓国は情治国家だという批判があるが、今回の騒動を見るに日本の国民も政治家も当たり前のように情を最上位に置く傾向は強い。まさに「情の時代」という今回のテーマを体現する展開。

2019/08/08 09:30

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「ガソリン缶」脅迫文「間違いない」 59歳容疑者認める 「表現の不自由展」 - 毎日新聞

どんな背景も何も、捕まるなんて微塵も思ってないんでしょ。「普段行かないコンビニ使ったのに、なぜどうやってバレたんだ?」「てかこんないたずらFAXくらいで逮捕されるの?」くらいの感覚でも不思議じゃないよ。

2019/08/08 11:54

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少女像展示前、知事が津田氏に「本当にやるのか」 : 国内 : 読売新聞オンライン

事実なんだろうけど、これは最初の会見で言わなければ逆効果。河村市長と同じく戦略ではなく正義感や道徳で動く人間だったということで実にがっかりだな。まさに情の時代展。喧嘩が下手な人はトップに置いとけない。

2019/08/15 06:25

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あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」に関するお詫びと報告

“「表現の自由を守るためには、自らが不快な表現であっても守らなければならない」”からこそ、実行委は自分たちが不快な会田作品をも展示すれば良かったのにね。そういう意味ではこの実行委も実行力や工夫がない。

2019/08/16 07:52

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あいちトリエンナーレの補助金全額不交付の件 | 参議院議員山田太郎 公式サイト

山田議員の専門領域それもど真ん中クリティカルな案件なんだから、見守るだけでなく愛知県と連帯しなきゃダメだ。これを見守るだけなら今後いかなる表現の自由への侵害も見守るだけになりそう。アリバイ造りなら残念

2019/09/27 11:04

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文化庁の補助金不交付決定、議事録存在せず

美術手帖のこの表明を強く支持する。山田太郎議員は「経緯を見守る」とかでなく、徹底的に連帯して戦っていただきたい。それが貴方の本丸であり存在意義だったはず。

2019/10/02 11:51

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「日本は二流国家に落ちちゃったな、と外国にみられる…」 美術家の会田誠さんが永田町で嘆いた理由

会田さんは「現代のグローバル市場におけるアートとはこうしたもの」という現況の説明をしている。我々が漠然と思うアートと、現代アート作家や支持者の言う「アート」の間のズレがいろんな齟齬を生んでいそう。

2019/12/07 08:45

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「ひろしまトリエンナーレ2020 in Bingo」の事前検討検討委員会設置の方針に対する声明

"異質で、単独的な個人の声や価値観を表明し担保することは(略)芸術の主要な役割" "「万人」に対して価値が理解可能なもの、快いとされるものだけを「芸術」と呼ぶことや、そのような偏向は、慎重に避けなければ" 同感也

2020/03/16 14:13

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東京都人権啓発センターの検閲事件

先日の飯山さんの件も普通に表現の自由への侵害だと思った。

東京都⼈権部が飯山由貴のアート作品を検閲か。小池百合子都知事の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への態度も影響した可能性|Tokyo Art Beat

確かに小池知事への忖度に思えるというか、ほぼ自白してるよな。役人の忖度など存在しないという安倍・麻生氏の妄言が通ってしまった事が禍根を残している。山田太郎議員はこういう時アリバイ作りでも騒いでほしい。

2022/10/29 06:27

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“朝鮮人扱った映像作品” 東京都が上映認めず 制作者らが批判 | NHK

メール内で都知事への忖度だと自白してるのを見るに役人が悪いが、これについて動こうという政治家一人もおらんの?あと便乗してWhataboutしてる人にはこう言いたい→"https://b.hatena.ne.jp/entry/4678553348438073282/comment/Shin-Fedor"

2022/11/23 16:04

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表現の自由担当議員たちへの雑感

俺は山田太郎議員や赤松議員もまあ応援はしているのだが、彼らは危なっかしい。特に赤松議員は幼稚な正義感に酔ってしまっている事があり心配だ。栗下さんの方がより信頼できると思っている。いろんなタイプの「表現の自由担当議員」が増えれば良いと思う。

くりした善行『葉梨康弘議員の「児童ポルノ」に関するWikipedia上の記述について(第104回)』

栗下さんめっちゃ丁寧かつ誠実で信用できる印象を持った。「悪人の悪行を攻撃するときは雑でも構わない。どうせ悪人だし」「だいたい合ってるし、どうせこう思ってるだろう」という姿勢は、やっぱりダメなんだよな。

2022/08/11 15:31

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赤松トップ当選で「表現の自由」は死んだ

ちょっと世界観が狭いと思う。そもそも赤松さんに投票した人の大半は藤末さんや栗下さんの存在すら知らなかったんじゃないかな。話題度知名度が違いすぎ。なんなら表現の自由戦士とかいう概念も知らない人が殆どでは

2022/07/13 17:20

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異常なあきひろ on Twitter: "『【速報】赤松健さん、落選したら、表現の自由を、守る活動から身を引くと宣言。 この参院選、赤松健の最後の戦いにしては、ならない』 これマジで言ったんすか?何で落選したら活動やめるんだか意味がわかんないんですけど……。"

「ヒロイックな正義感」「強い被害者意識」俺が大嫌いなタイプの政治家。とはいえ政治家はいろんな利権の代表者なのでポートフォリオ的に栗下さんや藤末さんやこの人が当選してくれるのはまあ望ましいと思っている。

2022/07/03 10:41

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その他メモ代わり

未整理

萌え絵の公共広告は「不快」で批判していい

人間は自分が不快でない広告だけを「配慮の行き届いた広告だ!」と評価するものなので、素朴に「俺=世界の大多数=常識側」と思ってる人はまずそこから疑ってみてほしい。その上で個人の不快が起点になるのはアリ。

2022/01/04 13:59

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“宗教2世”マンガが連載終了 集英社の対応に批判の声

つい先日ジャンプラ絡みで集英社を絶賛してしまった口で言うのもなんだけど、志のない出版社は存在意義がないのでこの世界から今すぐ消滅してくれて構わない。最低すぎてガッカリ。情けない。菊池先生は立派だと思う

2022/03/19 09:29

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SNSに「ブタ」と書いたら懲役刑…侮辱罪の厳罰化で「政治家の悪口も言えない」(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース

これなので軽々しく厳罰化しろとか言うべきではないのだよな。イケイケドンドンな方々は「自分は道徳的なので逮捕される側に回ることはない」と無邪気に盲信しているのだろうが、想像力が欠如しているのではないか

2022/03/13 11:16

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表現規制派は何回も何回もループすんのやめてほしい

表現規制派」という雑な括りが悪いんだけど、ここで言う表現規制派とは「元増田および元増田に完全同意の人」なので、それに該当する人(例えば元増田)が回答すべきかと。名指しじゃないと議論など成り立たんよ。

2022/01/04 14:18

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学生作の「ウルトラマンブッダ」に抗議殺到 罰当たり?:朝日新聞デジタル

"保守政治家などから「罰当たり」との批判が相次ぎ" "知事は県内の教育機関に対して展示前の作品選びを厳しくするよう指示" しょうもねーなぁ。タイの表現の自由戦士たち頑張れ。

2019/09/12 20:06

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